2005/12/19

5人の女性が選んだそれぞれの人生 『靴に恋して』

本日の映画:靴に恋して ★★★★☆ 
靴デザイナーを夢見て昼は高級靴店で働きながら夜は店から盗み出した靴を履き毎晩のようにディスコで踊るレイレ。売春宿でマダムとして働きながら知的障害を持つ娘アニータを一人で育てるアデラ。娘のアニータは黄色のスニーカーを履き、毎朝ペットのチワワを散歩させに出かける。血のつながっていない子供達の面倒を見るためタクシードライバーとして生計を支える母マリカルメン。高級官僚と結婚し経済的には恵まれた生活を送っているもののいいようのない孤独を慰めるために高級靴を買いあさるイザベル。そんな5人の女性の人生と転機を描いた作品。監督はラモン・サラサール、出演はアントニア・サン・フアン、ナイワ・ニムリ、アンヘラ・モリーナほか。

タイトルやジャケット写真の印象からもっと軽くて女性的でファッショナブルな感じの作品かと勝手に思い込んでいたのですが、見事に裏切られました(笑)。タイトルや見た目が醸し出すおしゃれな雰囲気に惹かれて鑑賞すると肩すかしを食らうこと必須です。まぁ別の意味でとても女性らしい作品ではありますが。以前観た『オール・アバウト・マイ・マザー』になんとなく雰囲気が似てるかも。そういえば、こちらもスペイン映画でしたね。

この作品では5人の女性が軸となってストーリーが展開していきます。それぞれが色々な問題を抱え、なかなか解決できないでいます。思い通りの人生が送れない、そんなジレンマに悩まされ続ける彼女達は、盗んだ靴で踊ったり、薬をやったり、犬を虐待したり、わざと小さな靴を履いたりすることで少しでも自分の気持ちを昇華させようとします。そんな愚かしくも哀しげな女性達の姿をつきはなしたような視線で淡々と描かれています。女性のはかなさそして力強さを感じずにはいられない、そんな作品でした。

中でも一番印象に残ったのが、アデラとレオナルドがタンゴを踊りに行ったシーン。レオナルドと友人の会話を聞いたアデラが一人悟った表情でテーブルにつく、あの「終わり」を予感させるシーンはホントに切なかったです。アデラ役のアントニア・サン・フアン、見た目はオカマっぽくてちょっと…なのですが、このシーンの彼女の表情はホントに素晴らしかった。あと、初めて自分のテリトリーから外に踏み出た喜びでいっぱいの興奮状態のアニータの表情も印象に残ってます。その後の犬のエピソードには驚きましたが。

ちなみにこの作品の重要なキーとなっている“靴”ですが、公式サイトによると約300足もの靴がこの作品には登場しているとのこと。イザベルの見事なシュークローゼットにはため息がでましたね。一度でいいからあれだけの靴をコレクションしてみたいなぁ。
*****作品データ*****
靴に恋して
PIEDRAS/STONES(2002年/スペイン)
監督:ラモン・サラサール
製作:フランシスコ・ラモス
出演:アントニア・サン・フアン、ナイワ・ニムリ、アンヘラ・モリーナ、ビッキー・ペニャ、モニカ・セルベラ
   エンリケ・アルキデス、ダニエレ・リオッティ、ルドルフォ・デ・ソーザ、ロラ・ドゥエニャス
公式サイト:http://www.elephant-picture.jp/kutsunikoishite/
  →この作品をAMAZONで確認
posted by クマ at 14:25 | Comment(0) | TrackBack(2) | ★★★★☆



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靴に恋して
Excerpt: 靴に恋して監督:ラモン・サラサール出演:アントニア・サン・ファン , ナイワ・ニムリ , ビッキー・ペニャ , モニカ・セルベラ ..
Weblog: ちつ子の調教シネマCAFE
Tracked: 2005-12-31 02:40

<靴に恋して> 
Excerpt: 2002年 スペイン 137分 監督 ラモン・サラサール 脚本 ラモン・サラサール 撮影 ダビッド・カレテロ 音楽 パスカル・ゲーニュ 出演 アデラ:アントニア・サン・フアン    レイレ..
Weblog: 楽蜻庵別館
Tracked: 2005-12-31 10:59
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