2009/03/09

『チャプター27』

チャプター27」 ★★☆☆☆

CHAPTER 27 (2007年/カナダ・アメリカ)
監督:J・P・シェファー
出演:ジャレッド・レトー、リンジー・ローハン
公式サイト:http://chapter27.jp/

1980年12月8日にジョン・レノンを殺害したマーク・デイヴィッド・チャップマンの犯行に至るまでの3日間を描いた作品。なんとも後味の悪い作品だった。「孤独」の果てに自分を見失い、自分の存在価値を見出しそれを証明するために人を殺す。常人には理解不能な世界だと思う(本人以外は理解不能、もしかしたら本人も理解できてないのかも。そもそも理解することに意味があるかどうかも解らないけど)。行動に一貫性が見られないところや情緒が安定していないところからして精神が壊れかけていることだけは解るんだけど、殺害のトリガーがいったい何だったのかが把握できなかったところは不満。結局は不幸な偶然の積み重ねってことなのかしら…。個人的には何度も銃を抜きその瞬間をシミュレーションするくだり(「タクシードライバー」でもこういうシーンがあったなぁ)が不気味すぎて印象に残ってます。

事件については「ジョン・レノンがアパートの入り口で銃によって殺された」ということ以外は知らなかったけど、ジョン・レノンを殺害したその日に犯人は息子のショーンに会っていたという点、さらにジョンが撃たれたあの現場にオノ・ヨーコもいたという点に戦慄を覚えた。最愛の人を殺されるというだけでも想像を絶する痛みなのにさらにこういった偶然が重なるとは…。残された家族が気の毒でしょうがないです。

私自身ジョン・レノンのファンというわけではないけれど、彼の発したメッセージや影響力を考えると彼の死は非常に残念だと思う。それだけに彼がなぜ殺されなくてはならなかったのかという点に非常に興味があったんだけど、残念ながらその答えはこの作品からは得られなかった(今現在は彼が死んだという事実には意味があるけれども、事件自体はタチの悪い巡り合わせ的なものでしかなかったと思ってる)。

この事件で真っ先に思い出されるのがサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」という小説の存在。「ライ麦〜」に関しては色々な説があって中にはオカルト色の強いものまであったように思うけど、この作品を見る限りでは単純に主人公コーフィールドに(なかば強引に)共感・共鳴・同化しようとしていただけという印象が強かった。つい最近村上春樹が翻訳した同書を読んだばかりだけど、残念ながら私はそれほど共感・共鳴しませんでした。ホッ。

あと、劇中映画嫌いであるはずのチャップマンが「ローズマリーの赤ちゃん」に過剰反応する場面。映画「ローズマリーの〜」の撮影場所がダコタ・アパートだったこと、そして「ローズマリーの〜」の監督ロマン・ポランスキーの妻シャロン・テートが殺害されたこと、その犯行を指示したのがビートルズの「ヘルター・スケルター」に影響を受けたチャールズ・マンソンだったということなどがチャップマンの中で何かと融合し、犯行へと駆り立てる大きな原動力となったような描き方がされてました。どの事実もこの作品を見て初めて知ったものばかりだったので(ファンの間では有名らしいのですが)作品の内容以上に衝撃を覚えてしまったということを付け加えておこうと思います。

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posted by クマ at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★☆☆☆



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