2006/01/25

『あげまん』 ★★★★☆

こんな女性と付き合ったら、たとえあげまんでなくても男は幸せになれると思うよ!


本日の映画は『あげまん』。神社に捨てられ老夫婦によって育てられたナヨコ。中学を出て芸者の道に進んだ彼女はある僧侶多聞院のもとに水揚げされることとなる。彼女を引き受けた矢先多聞院はメキメキと出世しナヨコはしばし幸せな暮らしを送るが、その後彼が他界したことがきっかけで銀行勤めを始める。その後出会ったうだつの上がらない銀行員鈴木主水と付き合うようになるものの、同じくメキメキと出世していった彼はナヨコを捨て別の女の所へと去っていってしまう。すっかり男性不審になったナヨコは銀行を辞め芸者へと戻るが…。監督は伊丹十三。出演は宮本信子、津川雅彦ほか。

付き合う男の運気を上げる天性の才能を持つ“あげまん”と呼ばれる女性とその運気に魅せられた男性達の愛憎劇をシニカルに描いた作品。芸者に扮した宮本信子の艶やかな着物姿、神社にはためく赤いのぼり、お座敷のシーン等など他の伊丹作品とは違って彩り鮮やかで目にも楽しい作品です。特に赤色(というか朱色というか)の鮮やかさが印象的。

この映画が作られたのが1990年だから少なく見積もっても10年ぶりくらいに観た計算になるのかな?WOWOWにも加入しておらず好きなときに好きなだけ映画館にいけるほどお金も持っていなかった学生時代、映画鑑賞といえば地上波で放映される「○○洋画劇場」の類が全てだったわけですが、そんなときによく放送されていたのが伊丹十三監督の作品でした。この作品もそんな時に観た作品のひとつ。当時もそれなりに面白かったという記憶はありますが、大人になった今改めて見直してみると子供の時には解らなかった大人特有のあざとさがとてもユーモラスに描かれていて凄く面白かったです。正直、こんなに面白かったかしら?って感じですね。

みどころはナヨコと付き合い始めた主水がメキメキと出世していく姿。“あげまん”という天性の素質もあるものの、ナヨコの男性への接し方には同じ女として考えさせられるものがありますね。たとえば女性ならではの細やかな心配り。立てるところは立て、締めるところは締める。甘やかすところは甘やかし必要とあれば叱りもする。こんな愛のこもった叱咤激励を受け、自信をつけた男達が出世しないわけはないだろうって思いますよね。もしかしたら、このメリハリこそが“あげまん”の技なのかもしれないです。

そしてこの作品で一番印象に残ってるのが、運をもらった主水が懲りずに女遊びに精を出すシーン。何人もの相手の女性に「太った?」って聞かれるエピソード、凄く印象に残ってますね。ツイている人は重く感じる。うーん、伊丹監督上手いこと言うなぁ(笑)。
*****作品データ*****
あげまん(1990年/日本)
監督:伊丹十三
出演:宮本信子、津川雅彦、大滝秀治、金田龍之介、一の宮あつ子、菅井きん

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posted by クマ at 13:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★☆



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