2009/08/17

『ラスト、コーション』

ラスト、コーション」 ★★★★★
LUST, CAUTION (2007年/中国・アメリカ)
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン、タン・ウェイ
   ワン・リーホン、ジョアン・チェン
   トゥオ・ツォンホワ、チュウ・チーイン
公式サイト:http://www.wisepolicy.com/lust_caution/

久々にきた!★5つ。1940年代の中国を舞台に要人暗殺という使命を負った女スパイの運命を描いた作品。冒頭の文化祭や学生運動なんかの延長のような感覚で要人暗殺を企てるという浅はかで幼稚さ漂う部分には少々心配させられたけど、マイ夫人として任務に就く辺りから話はググッと盛り上がりぐいぐいと物語に引きずり込まれました。そのまま作品にのめり込みラストまで一気に鑑賞!久しぶりに時間を忘れて映画に見入ってしまいましたよ。『花様年華』での寡黙なトニー・レオンも良かったけれども、この作品の冷酷で残忍さ漂うトニー・レオンもイイ。惚れた!

見所はなんといってもタン・ウェイ演じるマイ夫人とトニー・レオン演じるイーの時間と共に深まっていく恋愛関係。猜疑心の塊のような男なだけに打ち解けるまでの道程でさえかなり見ごたえあり。出会った直後にベッドインというお手軽さとは程遠く、男と女の駆け引きがイヤと言うほど堪能できます。しかも言葉や仕草といった直接的なものではなく「視線」なのが憎い。

男の征服欲を掻き立てるような挑発的な言動をしたかと思えば一転して意表をつくように一途さをアピール。百戦錬磨のような振る舞いをしたかと思えばカマトトぶってみたりと男をその気にさせ飽きさせないテクニックは同じ女として「凄い」の一言に尽きます。媚びないけど諂いもしない、常に対等にいようとする彼女の立ち居地が絶妙だなぁと感心しました。恋愛は本来こうあるべきではないかと。

そして相反するものが共存している状態っていうのはとても魅力的なのだなぁとしみじみ思う。純粋さの中に淫らさが、冷酷な中に優しさがといった具合に。そして究極は愛と憎しみが混在する状態。愛憎という言葉があるくらいだから両者は紙一重なんだろうなぁ。特に後半部分で描かれる隠れ家での主人公と組織幹部との会話が印象的。彼女の中で愛と憎しみがせめぎ合っている様子が痛いほど伝わってきます。

監督は前作『ブロークバック・マウンテン』で第78回アカデミー監督賞を受賞したアン・リー。この作品も第64回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しているとのこと。過激な性描写が各国で物議をかもしだしたらしいけど(日本でも何箇所か修正が入ったらしい)、アクロバティックなベッドシーンはどちらかと言うとスポーツの一種みたいな感じで私自身はそれほどエロさは感じなかったなぁというのが正直なところ。むしろ互いに誘い合うような熱い視線の絡み合いほうに数倍エロさを感じました。

他のアン・リー作品はこちらから。
 ・『ハルク』 ★★☆☆☆
 ・『グリーン・ディステイニー』 ★★☆☆☆
 ・『ブロークバック・マウンテン』 ★★★☆☆

ついでにこちらも合わせてどうぞ。
 ・『花様年華』 ★★★★★
 ・『花様年華(2回目)』 ★★★★★

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posted by クマ at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★★



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