2009/09/22

『君のためなら千回でも』

君のためなら千回でも」 ★★★☆☆

THE KITE RUNNER (2007年/アメリカ)
監督:マーク・フォスター
原作:カーレド・ホッセイニ 『君のためなら千回でも
出演:ハリド・アブダラ、ゼキリア・エブラヒミ
公式サイト:http://eiga.com/official/kimisen/


テーマは贖罪。アフガニスタンで共に育ったアミールと召使いのハッサンとの時を超えた友情を描いた作品。事前に原作を読んでいたこともあり、それ相応の知識がある状態での鑑賞だったのですが、舞台となるアフガニスタンの街並みや登場人物などいい意味で自分の想像を裏切る映像満載だったのが印象的。特にババは自分が想像していた以上にババそのもので感動してしまった。全体的な印象としては、なかなか上手く細かいエピソードをそぎ落とし、2時間という短い時間の中に纏まりのある形で収めたなといったところ。個人的にはこの映画で何か感じるところがあったなら是非原作を手にして欲しいな、というのが正直な気持ちです。

原作含めこの作品で一番印象に残っているのはババの「一番の罪は盗むこと」という台詞。子育て真っ最中の私としてはこういう含蓄ある台詞は胸に響きます。またその後の展開がどうにもこうにも切ないというか。さらにもう一つ印象に残ったのは、無事アメリカに帰国し家族で食卓を囲んでいる時将軍からの質問に正直に真実を伝えるアミールの台詞。静かで力強い彼の言葉が印象に残っています。

そしてもう一つ、忘れられないのがあの事件のシーン。原作を読んだときも主人公の臆病さや加害者たちの卑怯さに、どうしようもないくらいの嫌悪感と激しい怒りを感じたけれど、こうしてビジュアルで見せられると人間の汚さそのものを目の当たりにさせられたようでその無力感に涙が出そうだった。もう一度この作品を見ることがあったとしても、このシーンだけは二度と見たくない。私にとってはそのくらい嫌なシーンです。

人間誰しも臆病で卑怯で沢山の間違いを犯すけど、決して自分を誤魔化さず良心を持って悔い改める謙虚な心を忘れてはいけないということを思い出させてくれる、そんな作品だったと思います。是非原作と合わせてどうぞ。


ちなみに原作で一番強烈に印象に残っているのはアフガニスタンという土地柄。日本(というか先進国一般)の常識が全く通じないところに戦慄を覚えました。映画ではそれほど描かれていないけれども、原作ではそれ相応の理由もなく無残な殺され方をされます。しかも日常的に。まさかそんな、という得体の知れない恐怖と戦いながらの読み進めるというのもなかなか無い体験だったと思います(サスペンスやオカルト作品のそれとは全く質が違ってて、まさに底知れない恐怖って感じ。どこかでこれがあの国の現実なんだということを認識しているんじゃないかなって今は思うんですけど)。

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posted by クマ at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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