2009/09/23

『百万円と苦虫女』

百万円と苦虫女」 ★★★★☆

百万円と苦虫女 (2008年/日本)
監督:タナダユキ
出演:蒼井優、森山未來、ピエール瀧
   竹財輝之助、齋藤隆成、笹野高史
公式サイト:http://nigamushi.com/

百万円が貯まる度に引越しを繰り返す女性を描いた作品。誰しも少なからずは持っているであろう人生のリセット願望をくすぐるような内容。百万円という金額に生活の中での具体的な目標と時間的なリミットという二重の意味を持たせている部分が面白い。上がりもせず、かといって下がりもせず、常に一定のモチベーションを持ち続けていくための仕掛けといったところでしょうか。主人公の不器用さに共感してみたり、無鉄砲とも思える行動力にかるく嫉妬してみたりといろいろなところにいろいろな形で響く作品だったと思う。奇麗事だけでなく人間の醜悪な部分もさらりと描けているあたりに監督のセンスとバランス感覚の良さみたいなものを感じました。

一番驚いたのは蒼井優。それまでも「フラガール」だの「ハチミツとクローバー」だの「クワイエットルームへようこそ」だの彼女の演技を目にすることは多かったけど、この作品での彼女はかなり新鮮だった。最近のメディア露出過多のせいで多少見くびっていたところがあったけど、独特の雰囲気というか空気感というか、作品を完全に自分のモノにしちゃってる、といった感じだった。程よく力が抜けた演技をするので他の女優に比べると見ていて疲れないのが面白いなぁと。唯一弟の名前を口にしながら嗚咽するというシーンだけはあまりにもワザとらしくて頂けなかったけど(名前呼びながら泣くって普通しないよねぇ)、あれは演技というよりはむしろ演出の問題かと思いますので。

あと個人的にツボだったのは桃娘のエピソード。過疎化が進み老人ばかりとなってしまった農村部の閉鎖的で排他的な部分が嫌らしいほど上手く描けてたと思う。世代のギャップに板ばさみになっているピエール瀧もいい味出してた。ラストのオチについてはなんとなく気が付いていたけど、予定調和に終わらないところが良かったです。

◆蒼井優の他の出演作の感想はコチラ↓からどうぞ。
 『ハチミツとクローバー』 ★★☆☆☆
 『クワイエットルームにようこそ』 ★★☆☆☆
 『フラガール』 ★★☆☆☆
 『人のセックスを笑うな』 ★★★★☆
 『蟲師』 ★★☆☆☆
 『亀は意外と速く泳ぐ』 ★★★☆☆

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posted by クマ at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★☆



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