2009/10/30

『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」 ★★★★☆
REVOLUTIONARY ROAD (2008年/アメリカ・イギリス)
監督:サム・メンデス
原作:リチャード・イェーツ『家族の終わりに』
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット
   キャシー・ベイツ、マイケル・シャノン
公式サイト:http://www.r-road.jp/

お互いに不満を抱える夫婦の人生を描いた作品。郊外に一戸建てを構え、二人の子供にも恵まれ、他人の目には幸せそのものにしか見えない一家だとしても、他の人には解らない夫婦の問題があるわけですよ。結婚してる人なら、心当たりあるでしょ(笑)。そしてその問題の唯一の解決策が作品の最後に描かれています。そう、あのラストのおじいちゃん。あの選択が正しいのですよ。

日々の生活を続けるに従って、確固たる将来のビジョンもなく、なし崩し的に人生を選択し続けた結果、お互いがお互いの犠牲になったと被害者意識を持ち、相手も、そしてそんな自分さえをも許すことも出来ずに悪循環にはまって行くという、長年連れ添った夫婦ならではの根深い問題。別に誰かに強制されたわけじゃないし、相手が悪いわけじゃないって事は百も承知なんだけど、思い描いていた未来と今の自分とのギャップに耐えられない。一度気付いたら最後、どこまでもどこまでも追いかけてくるという非常に厄介な問題なのですよ。主人公二人のジレンマが画面を通してビリビリと伝わってくるようです。見てるこっちまで胃が痛むよー。

年と共に増えるしがらみ、反対に減っていく可能性という希望。ありきたりの生活から脱却し、自分らしい人生を取り戻そうともがく彼女の心情はわからなくもないけれど、たとえパリに行けたとしても彼女の絶望は消えないだろうし、きっと違う形で不満が噴出するに違いない。言葉もロクに通じず、心を許せる話相手がいない土地ではなお更ストレスは溜まるだろうし。そもそも根本的問題は、生活環境でも夫婦間のコミュニケーションでもなく、彼女自身にあるのだから。とりあえず、となり街へあたりへ引っ越すっていうお茶の濁し方ではダメですか?とか言いたくなるんだけどね。

客観的に見れば彼女の行動に制約を与えるようなものは何一つない。にも関わらず、自ら手かせ足かせをはめ、自己暗示に陥ってしまっている姿が印象的。さらに不思議に感じたのが、彼女がまったく子供の存在に心を砕いていないように感じられるところ。ラストの衝撃の選択よりもずっと前から、子供たちに対しての思い入れってもんが全く感じられないんだよなぁ。もちろん日常のお世話もしているし、育児放棄しているってわけじゃないんだけど、親としての責任は感じられても、なぜかそこに愛は感じられないのですよ。だからかもしれないけれど、彼女の最後の選択にもやけに納得感がありました。

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posted by クマ at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★☆



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