2006/02/22

『アイ・アム・デビッド』

美しい風景、美味しい食事、優しい人々、大切な誰か。そう、幸せってきっとこんな感じ。

本日の映画は『アイ・アム・デビッド』。家族と引き離され収容所で育った12歳の少年デビッドが、ある男の指示でブルガリアの収容所を脱出し一人デンマークへと向かい新しい人生を手に入れるまでを描いた作品。収容所から脱出した少年が主人公の作品って聞いて哀しい若しくは痛ましい感じの映画なのかなと思っていたのですが、とても心温まる感動作で正直ビックリしました。確かに哀しい描写は沢山出てくるんですけど、それ以上にひたむきなデビッドにとても癒されること間違いなし!

収容所を後にした時彼が持っていたのは少しばかりのパン、ひとかけらの石鹸、ナイフ、コンパス、そしてある男から渡された手紙。収容所しか知らないデビッドには何もかもが初めてで解らないことばかり。それでも、脱出する前に言い聞かされた「誰も信じないこと」、「相手の言葉を良く聞くこと」、そして「周りに溶け込むこと」を忠実に守りひたすら北へと向かいます。途中船の乗組員、パン屋の主人、豪邸に暮らす裕福な家族など色々な人たちと出会いながら少しずつ知恵をつけていくデビッド。言葉を覚え笑顔を覚え、少しずつ社会のルールを理解していきます。お金の概念を理解し、やっと手に入れたお金でパンを買ってみたり。観てるこっちまでワクワクドキドキしちゃいますよね。

中でも一番印象に残ってるのは国境付近で出会った老婦人ソフィーの家でデビッドが猫を抱くシーン。それまで誰にも心を許さなかったデビッドが猫を抱き頬擦りし、ソフィーに心情を吐露するシーン。やっと信頼できる大人に出会えた安心感。それでも全てを話すことの出来ない辛さ。あの思いつめた表情!そんなデビッドの姿に思わず涙目になっちゃいました。

そしてもう一つ印象的だったのは画面いっぱいに広がる美しい田園風景の数々。ジャケットにも使われているひまわり畑をはじめ、青と白のコントラストが印象的な海辺の町や緑鮮やかな森、丘陵地帯、湖、などなど。そんな美しい映像の合間に挿入される回想シーン。収容所の中での出来事、デビッドが唯一心を開いていたヨハネスとの会話、そしてあの事件。自由になったデビッドが目にする風景が美しければ美しいだけ戦争の醜悪さが際立ちます。

なぜデンマークなのか、手助けしてくれたのは誰なのか、そして渡された手紙の中身は?心を開いたデビッドに訪れる新しい人生。全てが明らかになるラストシーンは、号泣とまではいかないもののじんわりとした感動を与えてくれますよ。
*****作品データ*****
アイ・アム・デビッド - I AM DAVID(2004年/アメリカ)
監督:ポール・フェイグ
原作:アン・ホルム
出演:ベン・ティバー、ジム・カヴィーゼル、ジョーン・プロウライト
公式サイト:http://www.kadokawa-herald.co.jp/official/david/
  →この作品をAMAZONで確認

個人的にジャケ写のデビッド、写真映りが悪い(というか顔色が黄色がかってる!実物はもっと色白で黒目がちだぞ!)と思うのですが皆様いかがでしょう。この写真だと思いを内に秘めた少年っていうよりなんだか反抗的な少年って感じがするのですが…。公式サイトの写真があまりにも良く撮れていたので非常に気になってます。公式サイトの写真、あの思いつめたような表情とひまわりのコントラストがとても良いですね。ぜひご覧になってみてください。
posted by クマ at 15:15 | Comment(2) | TrackBack(5) | ★★★★☆



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この記事へのコメント
TBありがとう。
ああ、なるほどデヴィッドの写真ね。パッケージ制作会社に文句をつけましょう!(笑)
Posted by kimion20002000 at 2006年03月11日 16:29
kimion20002000さん、こんにちは。
みればみるほど、ガッカリな写真ですよね。
この写真だと、正直ちょっと見る気がそがれるんですよね。。。
文句言ったら変えてくれるかなぁ〜。
Posted by クマ at 2006年03月13日 11:07
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