2010/05/28

『砂の上の植物群』

砂の上の植物群」 ★★★☆☆
砂の上の植物群 (1964年/日本)
監督:中平康
原作:吉行淳之介
出演:仲谷昇、島崎雪子、稲野和子、西尾三枝子
   信欣三、小池朝雄

吉行淳之介の同名小説を映画化した作品。偶然出会った少女と関係を持ち、彼女に姉を誘惑するよう依頼されたた男が、姉との倒錯した情事にのめり込んでいく様子を描いた作品。モノクロ映像の中にカラー映像を挿入する「パートカラー」という手法が使われていて、それがいい具合に不思議な感じを醸し出していたように思う。モノクロ映画を見るたびに思うけど、同じエロさの映像でもフルカラー映像に比べるとモノクロ映像では倍くらいエロく感じるよね(笑)。たぶん想像力が働いているせいだと思うけど。

うわべは非日常的な性に傾倒していった男の物語といった風情だけど、床屋のオヤジや嫁との会話など、所々になにかもやもやとした感情が付きまとう作品だった。その“もやもや”の正体が気になって気になって、ついつい原作にまで手を出す羽目に(苦笑)。映画に比べると原作の方が内容が濃いっていうのは致し方ないとは思うのですが、原作を読んだ後の鑑賞ではやはり物足りなさを感じてしまいますね。ちなみに“もやもや”の原因は、主人公に纏う亡き父の呪縛と底知れない孤独。原作からは主人公の父親に対する相反する感情がジットリと伝わってくる、そんな感じがしました。

印象的だったのは姉・京子の艶めかしさ。昔の映画なんで、情事のシーンとはいえ何が映ってるってわけでもないんですけど、艶めかしさはハンパないです。それ以上にヤバかったのが、レストランでの食事のシーンでの京子。だらしなく開いた口元は、なんだか見てはいけないものをみてしまったかのような罪悪感と嫌悪感が入り交じる、なんとも言い難い強烈なインパクトのある映像だったと思います。他人と食事するのが嫌になりそう(苦笑)。

ちなみにこの作品、残念ながらDVDはおろかVHSでも発売されていないようです(右上の画像とリンク先は原作小説のモノです)。東京フィルムセンターで上映されることがあるようなので、気になる方はこちらをチェックしてみて下さい→http://www.momat.go.jp/FC/fc.html

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posted by クマ at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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