2010/07/05

『リリイ・シュシュのすべて』

リリイ・シュシュのすべて」 ★★★☆☆
リリイ・シュシュのすべて (2001年/日本)
監督・原作・脚本:岩井俊二
音楽:小林武史
出演:市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩 他
公式サイト:http://www.lily-chou-chou.jp/

インターネット上のBBSを利用して実験的に製作された同名小説を元に創られた作品とのこと。14歳の主人公を軸に、揺れ動く少年少女の姿を描いた群像劇。岩井俊二監督お得意の透明感のある映像と、そこに重なるドビュッシーの美しい旋律。加えてリリィ・シュシュの不安感を煽るようなメロディと、明らかに中毒性の高そうな作品だと思う。ビジュアル的には文句なく★5つ級なのですが、ひとつの映画として振り返ってみると、思春期という言葉では割り切れないもやっとしたものが残るなんとも言えない作品でした。こういう作品は★が付けにくいですね。取りあえず限りに無く4に近い★3つって感じかしら。

若さとはあまりにも無謀でとてもはかなく、そして残酷なもの。扱っているのは結構普遍的なテーマで、それ自体は全く問題ないのですが、いじめ、恐喝、暴力、売春、そして死と、暗部ばかり執拗にクローズアップされていて、正直見ていてあまり気分のいい作品ではないと思う。さらに美しさと醜さが一緒くたにして迫ってくるので、その激しいコントラストに見ていて気分の悪くなること数回。監督自身のこだわりは十分感じるのですが、さすがにここまでくると少々悪趣味かとも。

あと、全体的に感じたのは「ぬるさ」と「あざとさ」。隔絶された世界から飛び出そうとするわけでもなく、辛い現実から抜け出そうともがくわけでもなく、身近なところにはけ口や癒しを求め、怒りや戸惑いや漠然とした不安感、そしてやり切れない思いなんかをなんとなく発散して自分をごまかしている。そんなふうにしか感じられなかったです。閉塞感は感じつつもそこに絶望しているわけではない、というなんとも言えない中途半端さ、そしてどこまでも流されて行きそうな頼りなさが後々まで残りました。なんともやりきれないですね。もう少し、彼らから「本気」さが感じられると良かったんですけど。その年齢でしか体験出来ないことってきっとあると思うので。

ちなみに岩井監督自身「遺作にするなら、これを遺作にしたい」と語っているそうです。個人的には「スワロウテイル」の方が好きなんですが、何となく気持ちは分からなくもないですね。この作品を見て久々に14歳という多感な時期を思い出し、苦々しくも懐かしく感じました。個人的にはもう二度と戻りたくないですけど(笑)。

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posted by クマ at 21:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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