2010/08/26

『愛のむきだし』

愛のむきだし」 ★★★★★
愛のむきだし (2008年/日本)
監督・脚本・原作:園子温
出演:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ
   渡部篤郎、渡辺真起子、他
公式サイト:http://www.ai-muki.com/

愛、最強。

2009年のキネマ旬報ベスト・テンの第四位にランクインするなど、極地的に話題になっていた作品(でも私の周りで知っている人は皆無w)。約4時間と超がつくほど長い作品なのですが、まったくもって長さを感じさせない、最高かつ最強にパワフルな作品で非常に満足。間違いなく今年のベスト3にランクインすると思います。この先ネタバレありますのでご注意ください。

厳格な神父の父と暮らす少年。父の求める「懺悔」に応じるために罪を重ね、そこに存在意義を見出す日々を送っていたが、運命の女性との出会いによって愛に目覚める。…−と言葉にしてみるとなんだかとっても純愛ドラマっぽい雰囲気ですが、この作品で描かれている「純愛」は、私たちが常日頃親しんでいる巷の映画に描かれている「純愛」とは全くの別物。下世話で俗っぽくてみっともなくて、見ていてもうどうしようもないんだけど、でも確かに「純愛」なのである。このあたり説明するのは非常に難しいので、少しでも気になったのであればご覧になることを強くお勧めします。でも4時間かかるけど(笑)。

この作品、細かいところまで考え尽くされているいるなぁというのが一番の感想。まず、名の知れた俳優といえば渡部篤郎くらいなもので、他はほとんど馴染みのない俳優さんばかり(今となってはみな一様に有名になっているようですが)。それが功を奏して、何の先入観も思い入れも全くないまっ更な状態で作品の世界に入り込むことができたのがまず良かった。これ、実はとても重要で、有名な俳優さんばかりだと演技の限界みたいなものが見えてきちゃって、実際のストーリーよりもそっちから先に結末が見えてきちゃったりするんですよ。そういうことがこの作品では全くなく、ゆえに最後まで結末の予測が付かないという最高の状態で鑑賞することができました。

次に、登場人物たちの調和が見事。登場する人物(特に女性)がみな強い個性の持ち主で強烈。これだけアクの強いキャラクターを並べたにもかかわらず、作品として一定のまとまり感を持たせられるのは驚異的。後々考えてみると、皆が皆、強い個性を打ち出してはいるものの、実は周りから浮くことが無いようグラデーションのように上手く人が配置されていたのではないかと気が付きました。また常識的なキャラクターを一人も出さないことででも、この絶妙なバランスは保たれていたように思います。

あと、リアルとファンタジーのバランスが絶妙。すべてが嘘くさいんだけど、でもなぜかそこにはリアリティも感じる。あの盗撮シーンなんてギャグとしか思えないし、パンチラにいちいち反応するユウの姿にしても(そういえば、パンチラシーン多かったなぁ。もう一生分のパンチラ見た気分だw)、サソリに思いを寄せるヨーコにしても、セキセイインコと戯れるコイケの逝っちゃってる表情にしても、パーツごとに見てみると、どうにもこうにも「ありえねーw」の連発なはずなのに、作品としてまとまると、なぜか「純愛」になってしまうから不思議。まさにミラクル!

そして一番印象的だったのが、浜辺でヨーコがユウにむかって聖書の一文を絶叫するシーン。もう圧巻。参りました。なんつーか、ものすごい迫力でいろいろなものが画面から押し寄せてくるような感じといえばいいでしょうか。あぁ、このシーン、劇場で見たかったなぁ。ちなみに初回の鑑賞時には、3回巻き戻して毎回見入ってしまいました。最高!!

ちなみにこの作品で一番強烈なオーラを放っていたのはコイケ役の安藤さくら。彼女、奥田瑛二と安藤和津の娘なのだそうです。確かに顔は安藤和津に似ていますが、それ以上に両親からいろんなものを遺伝しているようで、久々に予測のつかない役者って感じがします。今後の活躍に期待しましょう。

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posted by クマ at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★★



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