2010/08/31

『ハゲタカ(テレビドラマ版)』

ハゲタカ」 ★★★★☆
ハゲタカ (2007年/日本)
原作:真山仁 「ハゲタカ」「ハゲタカII」
脚本:林宏司
出演:大森南朋、柴田恭兵、栗山千明、松田龍平
   菅原文太、中尾彬、冨士眞奈美
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/hagetaka/

バブルの後遺症に喘ぐ日本企業と、ハゲタカと呼ばれる外資系投資ファンドらが繰り広げる、企業買収と再生の物語。世間の波に乗り遅れること3年。今更ながら原作にハマり、一気に読破。さらに運よく再放送されてたドラマ版・映画版と立て続けに鑑賞いたしました。あー満足満足。ということで、まずは2007年にNHKで放送されたテレビドラマ版の感想から。いつものことではありますが、この先かなりのネタバレを含みます。原作・ドラマ・映画共に未見の方はくれぐれもご注意くださいませ。

ドラマ版「ハゲタカ」は全6話。第1話〜3話は「ハゲタカ」、第4話〜6話は「ハゲタカII」をベースに作成されているとのことですが、鷲津雅彦のプロフィールであったり、三島由香・西野治といった原作にはない登場人物であったりと、設定も内容もオリジナルな部分が多いので、原作とは全く別物と考えた方が良いかと思われます。あとどこまでも冷静沈着でビジネスライクな姿勢を貫いていた原作の鷲津とは異なり、ドラマ版の鷲津はかなり感情的で人間臭い描かれ方がされていたのが個人的には非常に気になりました。指で三角をつくる仕草も結局見られなかったし…。ショボーン。

見どころは、その当時の世相とオーバーラップするようなエピソードが盛り込まれている部分。登場する企業はいずれも実在の企業を連想させるものだし、登場人物たちの発言や言動もまた、時の人となった「誰か」を連想させるものだったりします。一応フィクションとはしているものの、実際に起きた数々の事件の裏側を覗いているような気分になれるのもこの作品の面白さの一つかと(とはいえTOB記者会見での鷲津の発言はあからさま過ぎてやや興ざめな感がありましたが)。

脇役の鉄板の演技も見どころの一つ。ホライズン本社を訪れた時の宇崎竜童の燃え尽きっぷりに始まり、冨士眞奈美の絵に書いたような暴君ぶりや田中泯の職人気質の実直さ、地味なところでは鷲津の右腕中延の控えめな演技などなど。そして極めつけは菅原文太。セリフの溜めといい抑えた声のトーンといい、さすが!と思わず唸ってしまうほどの存在感。歳は取ってもやっぱり菅原文太は凄かった!逆に鷲津役の大森南朋は、交渉の場で見せる表情にわざとらしさを感じてしまい、最後まで違和感がぬぐえなかったというのが正直なところ(眉毛の上げ下げは明らかにやりすぎ。眉間に皺寄せ過ぎて疲れそうw)。もう少し眼に冷酷さがあるといいのにな、と思いました。あと、個人的には原作で重要なポジションにいたリン・ハットフォードのキャラクターがまるっと削除されていたのが残念でした。

全体的なところでは、外資系ファンドの描かれかたがやや弱かった(というか甘いというか)ような気がしています。「買い叩く」というセリフが前面に押し出されているところにも違和感を感じたのですが、単に「安く買う」ことだけを目的にしているわけではないという、彼らのビジネスの本質に切り込めていないところに物足りなさを感じましたちなみに原作を読んで「ハゲタカファアンド=日本の敵」といった先入観はあっけなく覆されました。むしろ不良債権処理には彼らの行う「再生ビジネス」は必要不可欠な存在だったんだなぁと改めて実感した次第です。好きか嫌いかは別問題ですけど。お時間のある方で原作未読の方は、是非一度手に取ってみてください。上下各2冊づつ計4冊ありますが、あっという間に読破できますので。

続編である「映画 ハゲタカ」の感想はこちらから。
「映画 ハゲタカ」 ★★☆☆☆

 第1話 「日本を買い叩(たた)け!」
 第2話 「ゴールデン・パラシュート」
 第3話 「終わりなき入札」
 第4話 「激震! 株主総会」
 第5話 「ホワイトナイト」
 最終話 「新しきバイアウト」

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posted by クマ at 09:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★☆



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