本日の映画は『舞台よりすてきな生活』。「スランプ中につき、子作りのお誘いとご近所つきあい、お断り!」
スランプ気味の舞台演出家と彼との子供を切望する妻。彼らが暮らす家の隣に脚に障害を持つ娘抱えるシングルマザー一家が越してきたことから始まる心温まるストーリー。思うように仕事がはかどらない苛立ちに加え、日増しに高まる子供を欲しがる妻からのプレッシャー、痴呆がかった母親の存在、夜な夜な吠える隣の犬のおかげで不眠に陥り身も心も衰弱気味のピーター。投げやりになってみたり自虐的になってみたり、その挙動不審な行動がとても面白いです。これだけ意見が真っ向から食い違っていると妻メラニーとの仲が険悪なものになりそうなものなんですが、メラニーが大人だからなのかそれとも愛があるからなのか、ネガティブな雰囲気は全くありません。むしろそんな状況でもとても仲が良い二人の姿は観ていて微笑ましかったです。
子供が苦手ななせいで、自分が手がける舞台の脚本が思うように出来ないピーター。仕事の足しになればとよこしまな考えで隣の娘エイミーと付き合い始めたものの、子供が持つ独特の世界観・そしてルールにすっかり魅了され親密になっていく彼の様子がとても素敵に描かれています。ままごとやゴムとび、プールへの飛び込みなど何気ないお隣の娘さんとの交流が主人公の頑なな心を解きほぐしていくわけなのですが、その二人の会話がとてもユーモラスで楽しいです。おませなエイミーと皮肉屋のピーター。噛み合ってるような無いような、でも二人ともとても楽しそうで観ているこっちまで気分がウキウキしてきます。
出てくる登場人物のなかに普通の人が少ないところもこの作品の魅力の一つ。中でも一番印象に残っているのは自分をピーターだと偽りピーター宅の近所を夜な夜な徘徊する偽ピーター。自分は人のためになることばかりしていると豪語する彼が遂にはピーターの悩みのタネの一つを取り除き自分の主張を証明することになるのですが、それまでの二人の会話がとてもシュールで面白かったです
原題は「HOW TO KILL YOUR NEIGHBOR'S DOG」。少々物騒なタイトルではありますが、内容はちょっぴりせつなくてとてもハートフルな魅力的な作品でした。公式サイトもとってもお洒落なので、映画と合わせてご覧になってみてください。見終わった後はとても優しい気持ちになれること請け合いです。
*****作品データ*****
舞台よりすてきな生活 - HOW TO KILL YOUR NEIGHBOR'S DOG(2000年/アメリカ)
監督:マイケル・カレスニコ
制作総指揮:ロバート・レッドフォード
出演:ケネス・ブラナー、ロビン・ライト・ペン、リン・レッドグレーヴ、スージー・ホフリヒター、ジャレッド・ハリス
公式サイト:http://www.butaiyori.com/
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