2006/05/17

日本人なら是非一度は見て欲しい 『マルサの女』

本日の映画は『マルサの女』。税務官を天職とする女税務官板倉亮子。地道な仕事振りが評価され念願の国税庁査察部へと栄転し、独特の嗅覚で次々と脱税を暴いていく姿を痛快に描いた作品。伊丹十三監督作品で『お葬式』、『タンポポ』に続く監督第三作目。後に『ミンボーの女』、『マルタイの女』と続く「女シリーズ」の原点的作品。認知度の低いアングラな世界をコミカルに描く独特の演出と彼らが使う隠語をタイトルに使うといった手法はこの作品で確立されたもの。それだけに20年経った今改めて見直してみても、練りに練られた構成や、デフォルメされたキャラクター、そしてなにより勧善懲悪モノ特有の爽快感は相変わらず観客を楽しませてくれます。うーん、やっぱり「女シリーズ」は傑作揃いですね。

みどころはなんといってもストーリーの痛快さ。程よいアングラ感と随所にちりばめられたユーモア。中でもあの手この手とそれこそ思いもよらない場所に隠し込まれた山のような通帳や判子を探し出し、悪事を暴いていく姿は見ていてとても気分がいいです。しかも追うほうも追われるほうもウィットに富んでいて、お互いに騙しあい化かしあう姿は滑稽としかいいようがありません。終始ニヤニヤしちゃいます。

伊丹作品では豪華な出演陣っていうのも見物のひとつですよね。スクリーンの片隅にあんな人やこんな人が映っていたりと、思いもよらない俳優の顔が見れたりするのもまた伊丹作品のよいところだと思います。ちなみに今回の悪役は山崎努演じる権藤英樹。これがまた悪知恵が働く上したたかでかなりのスケベオヤジだったりと強烈なキャラクタ。それが強制捜査、息子との確執、逮捕と状況が変わるにつれて板倉に対する態度が徐々に軟化していくところはとても良かったと思います。序盤の強気な権藤の姿があまりにも強烈だっただけに観客席を一人脚をかばいながら降りていく疲れた寂しそうな後姿がとても印象的でした。

しかし、「マルサのジャック・ニコルソン」て(笑)。
*****作品データ*****
マルサの女 - (1987年/日本)
監督:伊丹十三
出演:宮本信子、山崎努、津川雅彦、大地康雄
  →この作品をAMAZONで確認
posted by クマ at 15:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★☆



前後の記事へリンク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/17934184