2006/05/29

『ぼくの伯父さん』

超が付くほどモダンな豪邸に暮らすアルペル社長夫妻と息子のジェラール、そしてジェラールが慕うユロ伯父さんの長閑な日常生活をコミカルに描いた作品。ジャック・タチの代表作で第31回アカデミー賞では外国語映画賞を、第11回カンヌ国際映画祭では審査員特別賞を受賞した作品です。ゆったりと流れる時間と軽快な音楽、そして登場人物たちのコミカルな言動におもわずクスクスと笑いがこぼれる、そんな作品でした。伯父さんのバッグから飛び出した魚(?)に牙を剥いて挑む犬の様子から始まり、アルペル夫妻の住むハイテクでモダンな豪邸やユロ氏の住む一風変わったアパートメント、子供達の他愛の無い悪戯、オートメーション化された工場やそこで働く人たちと細かいディティールまで作りこまれた映像は見た目にも楽しくて思わず見惚れてしまいました。

必要最低限に抑えられたセリフとあって無いようなストーリー。画面に現れては消えていく無数の人々。何の変哲も無い日常風景なんだけどどことなくお洒落な雰囲気が漂っているのはやっぱりフランス映画だから?のほほんとしたユロ伯父さんのどこかピントのずれた行動といい自慢の豪邸に神経質になりがちなアルペル夫人の行動といい、滑稽さの中にたまにチラリと顔をのぞかせる皮肉っぽい演出がまた絶妙。

個人的に印象に残ったのは街中を我が物顔に勝手気ままに徘徊する犬達の姿と悪戯好きの子供達の姿。子供達が口笛を使って大人たちに悪戯するんですが、その単純で楽しい悪戯に夢中になっている子供たちの姿がなんとも微笑ましい。思わず笑いがこぼれます。ユロ伯父さんが怒られるというオチもいいし、なんといっても子供達が口にするお菓子がとてもおいしそう!

そしてこの作品で外せないのがアルペル夫妻の豪邸。手入れの行き届いた庭や魚の噴水、ハイテクキッチンに自動ドア。広々とした室内に置かれたモダンなインテリア(特にイス。これイームズかしら?)などとってもオシャレ。ところが人が尋ねてくるたびに噴水のスイッチを入れなくてはいけなかったり、庭を汚さないよう地面に置かれた飛び石を一歩一歩几帳面にあるく姿とか、訪れた客達はおろか住んでる本人達でさえなんとなーくくつろげていない様子。そんな皮肉な状態も滑稽というかなんというか。終始クスクス笑いながら鑑賞させていただきました。

ちなみにユロ氏は『ぼくの伯父さんの休暇』や『プレイタイム』、『トラフィック』でも活躍(?)しているとのこと。レビューを読んだ限りではこの作品以上にモダンでオシャレなんだとか。う〜ん、こちらも興味津々です。
*****作品データ*****
ぼくの伯父さん - MON ONCLE(1958年/フランス・イタリア)
監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ、アラン・ベクール、ジャン=ピエール・ゾラ、ドミニク・マリ、アドリアンヌ・セルヴァンティ
ジャック・タチ公式サイト:http://www.zaziefilms.com/tati/index.html
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posted by クマ at 16:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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