子供を預けていた寄宿舎で偶然知り合った男と女が徐々に惹かれあう姿を描いた作品。第39回アカデミー賞で脚本賞と外国語映画賞を第19回カンヌ映画祭ではパルムドールを受賞したクロード・ルルーシュ監督の代表作です。さらに劇中挿入されるシャバダバダ〜♪の音楽でもとても有名。そしてこの作品、とてもお洒落です。冒頭の浜辺で戯れるアンヌと娘というシーンからして非常に洒落てます。登場人物一人一人、エピソード一つ一つがどれをとっても絵になるというかなんというか。日本人じゃこうはいきませんよねー。第一印象ではもう少し甘ったるいラブストーリーを予想していたんですが、意外にもほどよく抑制の効いた大人なラブストーリーでした。モノクロメインの落ち着いた映像もとても雰囲気があって良かったし、なんと言ってもアンヌ役のアヌーク・エーメが美しいです。日本とはもちろん、ハリウッドとも違うフランスならではの美しさとでも言いましょうか。落ち着いていてしかも強さを感じる、そんな大人の美しさ。しかも可愛らしさもしっかり兼ね備えてます。まさに最強!
作品終盤まではシンプルなラブストーリーなのですが、最後にちょっとだけひねりが効いていました。あのラストのエピソードは秀逸ですね。ちょっとした回り道が見事なほどにこの作品の完成度を高めてくれてます。ラストの10分間の有無がこれほど作品の出来を左右するとは!この事実にはかなり驚きました。しかも観終わった後に心地よい余韻が残るところもさすがです。やっぱり傑作と呼ばれるだけの作品は何かが違いますね。
この作品で特に印象に残ったのは親子4人が仲良く食事をするレストランのシーン。行きつ戻りつするジャン・ルイの左手とか、微笑みながらも相手の気持ちを推し量ろうとするアンヌの視線とか。お互いの気持ちを探り合う大人たちの姿とそんな大人たちを尻目に無邪気にはしゃぐ子供達。このコントラストがなんともいえなかったですね。大人二人の控えめな態度が初々しいというかなんというか。観てるこっちまでテレ笑いしちゃいそうなそんな雰囲気。
多分この映画はある程度人生の浮き沈みを味わった大人じゃないとピンとこない映画じゃないかなって思います。どことなく哀愁めいた雰囲気も漂ってますし。何事もオープンでストレートな最近の若者達には「なんでこんな回りくどいことしてんの?」って切り捨てられてしまいそうだわ(笑)。しかし、この作品の良さが解るようになったってことは、私もある程度歳をとったってことなんでしょうね。
*****作品データ*****
男と女 - UN HOMME ET UNE FEMME/A MAN AND A WOMAN(1966年/フランス)
監督:クロード・ルルーシュ
出演:アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン
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