2006/07/07

『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』

孤独から逃れるために徐々に非行に走る13歳の少女となんとか彼女を理解し更生させようとする母親の姿を描いた作品。

アメリカ版積木崩しって感じの作品。ファッションに男に酒にドラッグにと派手に遊びまわる友人の影響で真面目で野暮ったかった少女が非行の道を突き進んでいきます。過激なファッションに身を包み現実の寂しさや煩わしささから逃げるように酒やタバコ、ドラッグへと手を伸ばす少女の姿もかなり痛々しいのですが、それよりなにより突然豹変してしまった娘の姿に驚き混乱しつつ、手を変え品を変えなんとか娘とコミュニケーションをとろうと努力し続ける母親の懸命な姿に心打たれましたね。一応舞台はアメリカですが、近い将来日本でも同じようなことが起きても不思議じゃないようなそんな危機感を感じる映画でした。

この作品の主人公トレイシーの場合、非行に走る直接の原因が親の不和からくる寂しさからだったり親へのあてつけだったりするので、原因さえ解決できればちゃんと更生するだろうなっていう予感は最初からありました。人生を踏み外しそうな危なっかしさは感じるものの、お酒にしろドラッグにしろ中毒になっちゃうほどどっぷりとつかっているわけでもないので思春期に良くある一種の熱病みたいなもんかなーとも思います。ただしその行動の根底にあるのが単なる好奇心だけではないってところが非常に問題ではありますが。あと13歳っていう年齢も問題ですね。早熟すぎです。

校内でも有名なアイドル的存在の同級生イーヴィと友達になったことがきっかけで彼女の世界は一変してしまいます。道徳的な世界しか知らないトレイシーにとって、欲しいものは全て手に入れ皆に愛され仲間達と楽しそうに毎日を暮らす彼女達の世界はとても刺激に満ち溢れていてさぞかし楽しかったことでしょう。浮かれてしまう気持ちもよく解ります。そんな彼女の心のうちを知ってかしらずか、さらにイーヴィーはトレイシーをそそのかし、トレイシーは半ば必死でイーヴィーについていきます。でも結局そんなうわべだけの友情も楽しいだけの生活も、長続きするわけがないんですけどね。そんな簡単なことにさえ気がつかないっていうのもまた若さなのかなぁゆえって感じですが。

個人的には自傷行為を繰り返すトレイシーよりも平気で嘘を繰り返すイーヴィーの将来の方が不安を感じます。母親という絶対的な見方のいるトレイシーよりも、実はイーヴィーの方がはるかに孤独で哀しい人生を送っているんじゃないかな。二人がつるんでいる時も共依存の状態に近かったようにも思いますし。本当に助けが必要なのはイーヴィーの方かもしれませんね。
*****作品データ*****
サーティーン あの頃欲しかった愛のこと - THIRTEEN(2003年/アメリカ・イギリス)
監督:キャサリン・ハードウィック
製作総指揮:ティム・ビーヴァン、ライザ・チェイシン、エリック・フェルナー、ホリー・ハンター、
脚本:キャサリン・ハードウィック、ニッキー・リード
出演:ホリー・ハンター、エヴァン・レイチェル・ウッド、ニッキー・リード、ジェレミー・シスト、ブラディ・コーベット
公式サイト:http://www.foxjapan.com/movies/thirteen/
  →この作品をAMAZONで確認
はみ出しレビュー
公式サイトの説明にもあるとおり、この作品は本編でイーヴィー役を演じたニッキー・リードの実体験を元に作られた作品です。さらに監督のキャサリン・ハードウィックはニッキーの実父と不倫関係にあったとのこと。レビューにもトレイシーよりイーヴィーのほうがさらに深刻な状態だと書きましたが、この話を聞いて妙に納得いたしました。彼女からは実際に経験した者特有の痛々しさや激しさが滲み出てるような気がします。是非その辺もチェックしてみてくださいね。
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posted by クマ at 15:17 | Comment(4) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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この記事へのコメント
いつも楽しく読んでいます。ニッキーの実体験なのは確かですが、ニッキーは実際はトレイシーの立場だったということですね。ニッキーもさすがに、自分の過去を演じるのはつらかったのでイーヴィのほうを演じたとか。深い映画でしたね。
Posted by なぎさ at 2006年07月10日 11:42
なぎささん はじめまして。
コメントどうもありがとう。これからもどうぞよろしく♪
青春映画としてみれば結構ありがちで単純なストーリーだったと思うのですが、なんていうかあのスピード感っていうんでしょうか、それがあまりにもリアルだったのが印象的でしたね。目まぐるしいというかなんというか。軽く酔っているような感じ?
ただ、彼女達を取り巻く世界がいくら変わっても、根底にあるのは誰かに必要とされたいとか愛されたいという願望だったりするので、そう考えるととても切ないストーリーでもありますよね。
Posted by クマ at 2006年07月10日 15:07
そうですねー、あの映像は独特でした。特に途中で色が変わりますよね。そこが印象的で。スピード感もすごくあったし、引き込まれる映像でした。監督によっては淡々としすぎて退屈になってしまいかねない題材なのに、すごいですね。確かに根底にあるものは今の世界中のteenagerに共通するものかもしれないですね。teenagerがどうこうというより、彼らの家庭環境、親のあり方なんかを見直すべきなんじゃないかななんて思いました。それにしてもエヴァンレイチェルウッドはかわいいですねー。きれいになってきましたね。ホリーも母親役と思えないくらい若くてきれいでした。配役はばっちりでしたね。
Posted by なぎさ at 2006年07月10日 16:42
なぎささん
>teenagerがどうこうというより、彼らの家庭環境、親のあり方なんかを見直すべきなんじゃないかななんて思いました。
確かにそうかも。親はもちろんですが、もっと大人が子供たちの発するメッセージに敏感になる必要があると感じました。早め早めに修復するのが一番大事なんだなって思います。
Posted by クマ at 2006年07月10日 17:52
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