2006/08/24

『恍惚』

夫の浮気を知りショックを受けた妻カトリーヌは、ふらりと立ち寄った会員制クラブで妖艶な女性マルレーヌと出会う。夫好みの容姿を持つマルレーヌにカトリーヌは夫の誘惑をお願いするのだが…。

夫の浮気が引き金となって娼婦を使って夫を誘惑しようとする妻とお金と引き替えに情事の一部始終を依頼者である妻に赤裸々に報告する娼婦の奇妙な関係を描いた作品。主演はファニー・アルダン、そして競演はエマニュエル・ベア−ル。ファニー・アルダンの繊細かつ存在感のある演技といい、エマニュエル・ベア−ルの持つ妖艶な美しさといい、何とも言えない不思議な雰囲気に包まれた作品でした。

この作品、なんといっても夫との情事の顛末を娼婦の口から語らせるという想像力をかき立てる演出が面白いです。しかも語るのはあのエマニュエル・ベアール。エロい、エロ過ぎる(笑)。彼女が演じるマルレーヌという女性は娼婦っていう役なのでキワドイ演出もあるにはありますが、どちらかというとそのものズバリを見せるためというよりも昼間の彼女の姿を際立たせるための演出の一つといった印象が強かったです。夜と昼のギャップがそのまま彼女の魅力としてダイレクトに伝わってくる、そんな感じですね。

そして、マルレーヌに夫を誘惑させる妻カトリーヌを演じるのはファニー・アルダン。『8人の女たち』で見せた存在感ある演技も素晴らしかったのですが、この作品で見せた彼女の抑えた演技もまた冴えてました。どこまでも自己抑制が効いている大人の女性がふとした時にその複雑な胸の内をチラリと覗かせる、そんな彼女の演技が非常に印象に残ってます。

ストーリーのほうもなかなか凝っていてとても楽しめました。夫婦の間に横たわる不信感や緊張感もさることながら、カトリーヌとマルレーヌの間に芽生える一種の仲間意識のようなものは見ていて面白いです。二人の関係があまりにも微妙すぎて、もしやこの二人までくっついてしまうのでは?とあらぬ心配までしてしまいました。そういえば『8人の女たち』ではアルダンはド・ヌーブを押し倒してたっけ(笑)。

R-15指定が付いてしまうくらいキワドイセリフが多い作品ではありますが、下品になり過ぎないっていうのはやっぱりベアールのおかげなんでしょうか。二人の女優の美しさと巧みな演出、そして捻りの効いたストーリー。個人的にはぜひ女性の方に見ていただきたい作品ですね。おすすめです。
*****作品データ*****
恍惚 - NATHALIE...(2003年/フランス)
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ファニー・アルダン、エマニュエル・ベアール、ジェラール・ドパルデュー、ウラディミール・ヨルダノフ
公式サイト:http://www.wisepolicy.com/nathalie/
  →この作品をAMAZONで確認
posted by クマ at 16:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | ★★★★☆



前後の記事へリンク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL


「恍惚」
Excerpt: 08月16日「恍惚」WOWOWSTEREO この作品の主演であるジェラール・ドパルデューとファニー・アルダンと言えば、フランソワ・トリュフォーの「隣の女」。あの映画の二人のその後のアナザー・スト..
Weblog: 酒井俊之のシネマラ攻略大図鑑
Tracked: 2006-08-29 19:43