2006/09/01

『ミッドナイト・エクスプレス』

トルコに旅行に来ていたビリー・ヘイズは帰国時に大量の麻薬を国外に持ち出そうとしていたが、運悪く警察に見つかり投獄されてしまう。当初、すぐに出所出来ると高をくくっていたビリーだったが、彼に下された判決は懲役4年という重いものだった。

トルコから麻薬を密輸しようとして捕まったアメリカ人旅行者ビリー・ヘイズのその後4年にわたる過酷な投獄生活を描いた作品。実はこれ実話を元に作られた作品なのだそうです。最終的に主人公ビリーは脱獄に成功することになるのですが、それまでの4年間は地獄といっても過言ではなかったようです。監督は『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』のアラン・パーカー。脚本はなんとあのオリヴァー・ストーン。第51回アカデミー賞では作品賞を始めとする6部門にノミネートされ脚色賞、作曲賞の2部門で受賞している作品です。ちなみにタイトルの「ミッドナイト・エクスプレス」という言葉は、劇中でも説明がありますが脱獄を意味するトルコの刑務所で使われている隠語とのこと。

みどころはなんといっても楽観的だったビリーが次第に事態を飲み込み追い込まれていく姿でしょうね。精神的にも肉体的にも追い詰められ希望を失っていく姿は直視するのが辛いくらい。でも、手放しでこのような劣悪な環境を野放しにしているトルコ政府を責める気分にもなれないっていうのが正直なところ。あまりにも劣悪で不条理な状況が続くので思わず同情してしまいそうになるけど、良く考えてみたらこんな状況に陥ったのは自分の責任なわけですから。

作品的の持つ力強さや緊張感溢れる展開、そしてリアリティのある人物描写などは文句のつけようがないです。エンターテイメント作品としてとららえた場合、非常に完成度の高い作品であることは間違いないでしょう。とはいえ、結局はこの一連の事件が“自業自得”であるということから、この作品が観客に対していったい何を訴えたかったのかっていうところには疑問が残りましたね。結末も爽快という気分には程遠くかなり複雑な気分です。

とはいえ麻薬の不法所持だった罪が政治的な圧力により再度裁判にかけられてしまうといった下りは正直可哀想に思いましたね。運が悪かったとしかいいようがない。郷に入っては郷に従えというわけではないけれど、外から観ただけでは計り知れないその国独特のルール(というか暗黙の了解みたいなもの)があるわけだから、ヘタなことしちゃイケマセンってことでしょうね。

そういえば、冒頭大量のハシシを体中にテープで止めるシーン、巻いてる塊が一瞬プラスチック爆弾に見えてしまいました。だってまるで死を意識してるみたいな切羽詰った表情だったんだもの。もしそうだったら、それこそ4年どころじゃ済まないよなぁ。
*****作品データ*****
ミッドナイト・エクスプレス - MIDNIGHT EXPRESS(1978年/アメリカ)
監督:アラン・パーカー
脚本:オリヴァー・ストーン
原作:ビリー・ヘイズ、ウィリアム・ホッファー
出演:ブラッド・デイヴィス、アイリーン・ミラクル、ランディ・クエイド、ジョン・ハート
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posted by クマ at 15:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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