2006/09/06

『めし』

周囲の反対を押し切って結婚した初之輔と三千代だったが、長い年月がたった今二人は倦怠期に差し掛かっていた。そんなある日家出した初之輔の姪里子が二人の住む長屋に転がり込んできて…。

HDDに撮り溜めていた作品を整理していて見つけたこの作品。そういえば撮ってたなー…くらいの気持ちで何の気なしに鑑賞し始めたんですが、はっきり言って予想をはるかに上回るくらいすっごく面白かった(大興奮)!気付いたらがっつりとのめり込んでおりました。1951年の作品ってことで、もっと古臭い内容かと思ってたんですが、なんのなんの!今でも十分過ぎるくらい通用する内容で今時のヘタな作品よりも断然楽しめます。いやぁ成瀬巳喜男監督、侮れませんね(というより私が知らなさすぎって話ですが)。

さすがに50年以上も前の作品ってことで画質もそれほど良くないし時々急に画面の明るさが薄れたりする部分もあるのですが、それにしても美しいです。こういう作品を見るたびに思うのですが、なんていうかモノクロ映画って映像に圧倒的な艶がありますよね。個人的には色彩が無いぶん分だけ、想像力がかきたてられるっていうのがたまらなく好きです。とはいえ時間が経って見ると意外にもカラーだかモノクロだか記憶が曖昧になっちゃってたりもしますが。多分コレ、私の脳が勝手に色を補完しているんだと思う(笑)。

作品自体は『主婦の憂鬱』って感じ。別に何か事件が起きるってわけでもないし劇的に何かが変わるって話でもないんですけど、それがかえって新鮮なんですよね。しかも妻・三千代の表情が彼女の複雑な心境を雄弁に語っているところがまた面白い。特に姪の里子の勝手気ままな性格にイラつくシーンとか、ホント上手く出来てるなぁって思いました。言葉にしなくてもこれだけ伝わるっていうのも凄いですね。

特に印象に残ってるのは実家に帰り寝続ける美千代を母親が起すシーン。母親はなんでもお見通しなんだなって思うのと同時に、主婦は意外に疲れてるってところにやけに共感してしまいました。しかし夜まで寝てるって凄いなぁ(笑)。それと美千代の友達の独身女性が初之輔を訪ねてくるシーンも面白かった。猫グッジョブ!(笑)。
*****作品データ*****
めし(1951年/日本)
監督:成瀬巳喜男
出演:上原謙、原節子、島崎雪子、杉葉子、風見章子
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posted by クマ at 17:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | ★★★★★



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この記事へのコメント
こんにちは。
成瀬映画の登場人物は、表情でサスペンス映画みたいな緊張感を出しますから、平凡なホームドラマのような話でも面白いですね。
主婦の状況は、今も昔もあんまり変わっていないのかなぁ。。。
Posted by ken at 2006年09月07日 10:12
kenさん こんにちは。
確かに平凡なホームドラマなのに、すごくドキドキさせられました(笑)。
他の作品もこんな感じなのかしら?だとしたら凄く興味あるんですけど!
この作品の放映時、他の成瀬作品も沢山放映してたのに、なぜかこの作品しか録ってなくて、今となっては悔やまれるばかりです(涙)。
Posted by クマ at 2006年09月07日 14:07
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