2005/03/18

差別、虐待、そして家族 『アントワン・フィッシャー きみの帰る場所』

本日の映画:アントワン・フィッシャー きみの帰る場所 
アントワン・フィッシャーの半生を描いた自伝映画。アメリカ海軍に勤務するアントワンはそのキレやすい性格ゆえ仲間達とケンかを起こし、精神科医の診察を受けるよう命じられる。硬く心を閉ざしたアントワンは診察を行おうとするダヴェンポート中佐に対しても反抗的な態度を取るが、それでもなお粘り強く彼を待ち続けるダヴェンポート中佐にすこしずつ心を開き忌まわしい少年時代の出来事を語り始めるというストーリー。アントワン・フィッシャー役にはデレク・ルーク。彼を助けるダヴェンポート中佐役にはデンゼル・ワシントン。尚、この作品はデンゼル・ワシントンの監督デビュー作品でもあります。
この作品、とてもすばらしいです。泣けます。今回もまた懲りずに予備知識を全く持たずして鑑賞に望んだわけですが、鑑賞後事実を元に作られた作品と知ってかなり驚きました。
作品前半は、アントワンがダヴェンポート中佐に語る少年時代の出来事がメインとなります。父親は彼が生まれる前に死に、刑務所で彼を生んだ母親は養護施設に預けられた彼を迎えに来ることはありませんでした。里子に出された彼はその家で数々の差別や虐待を体験します。その出来事が後の彼にキレやすい性格として影を落とすことになるわけですが、彼がたどってきた過酷な状況を考えればそれもいたしかたないというのが正直な意見です。ここ最近、日本でも幼児虐待が報じられることも増えてきましたが、映像として見せられるとその惨さに目を背けたくなります。
作品後半では自分の過去を語ることによって自分と向き合い、仕事も恋愛も上手く行き始めたアントワンがダヴェンポート中佐のアドバイスを受け入れ、自分の家族探しに出かける様子が描かれています。彼の全てを受け入れ、愛してくれた恋人のシェールを連れて故郷クリーグランドに戻り、唯一の手がかりである父の名前を頼りに片っ端から電話を掛ける2人。遂に見つけた叔母の存在、そして迎えに来なかった母との対面、会話。そしてその後遂にアントワンの夢が現実のものとなります。2人の男の子が開けた扉の向こうに待っていた世界。予想以上の展開に思わず涙がこぼれました。良かった。ホントに良かった。
デンゼル・ワシントンの演技同様、とても硬派で重厚なこの作品。人種差別や幼児虐待などの社会問題を取り上げた作品としても、人間の強さや優しさをそして家族というものを取り上げた作品としてもとてもすばらしい作品です。是非オススメしたい一作です。
公式サイトはコチラから。アントワン・フィッシャー本人のコメントも掲載されています。作品と合わせてご覧下さい。
posted by クマ at 18:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★☆☆☆



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