2005/03/23

破滅的な恋愛 『リービング・ラスベガス』

本日の映画:リービング・ラスベガス 
死を待ちこがれているアル中男と変身願望のある孤独な娼婦の奇妙で切ないラブストーリー。元脚本家のアル中男ベン役にニコラス・ケイジ。ラスベガスで娼婦として働くサラ役にエリザベス・シュー。ニコラス・ケイジもエリザベス・シューもこの作品では目を見張るほどの演技を披露しています。特にエリザベス・シューの驚愕の変身ぶりは必見です。ちなみにニコラス・ケイジはこの作品で第68回アカデミー賞で主演男優賞を受賞。

純粋で怠惰で退廃的で刹那的で自虐的でどうしようもなく哀しい作品というのが第一印象。ニコラス・ケイジ演じるベンは作品冒頭からすでにある一線を越えてしまった“向こう側”の人といった様相。一応断酒会にも参加してはみるものの、アル中としての自分を許してしまっているその様子。もう、普段の生活には戻らなくてもいいという彼の決断はむしろすがすがしく感じるので不思議です。現実感の無い行動、夢うつつな生活、上滑りな台詞。見ていてなぜか涙が出ます。一方ラスベガスで娼婦として生活を立てているサラもまた、今の自分を嫌い変化を求めながらも娼婦である自分を受け入れている、というそんな諦めに似たものを感じます。作品中盤、しがらみから解放されたサラはベンとともに生活することを望み、『決して酒をやめろと言わない』という約束の元2人の生活が始まるわけですが、自分の愛している人が自らの意志で徐々に死に近づいていく姿を黙ってみていられるわけもなく途方にくれる彼女の表情がまた哀しさを倍増させます。

最初から最後まで二日酔いのような倦怠感を感じる作品。かなり過激な映像もたくさん出てくるし、見ていてあまり気分のよくなるような作品ではありませんがこのレビューにちりばめたキーワードに少しでも引っかかるところがある方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。周りの世界から純粋に2人だけを切り抜いたそんな雰囲気を是非体感してみてください。
posted by クマ at 16:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★★



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