2006/10/30

『犬猫』

中国に留学する友人の家に留守番として住むことになったヨーコ。しかし出発前日、二人の元にひょっこりと幼馴染のスズが現れ、勢いヨーコとスズは二人で留守を預かることになるのだが…。

本日の作品は『犬猫』。2001年のPFFアワードで企画賞を受賞し話題を呼んだインディ作品を同監督がリメイクした作品。決して仲が良いとは言えない二人の女がひょんなことから一つ屋根の下で暮らすことになり、時が経つにつれ二人の間に不思議な友情が芽生え始める様子を描いた作品です。とりたてて何かが起こるってわけでもないんですが、なぜか不思議と通じ合っていく二人のその絶妙な距離感がたまらなく良いです。この映画観てるとこんな感じの同居生活ならすごく楽しそうだなぁって思いますね(でも現実はここまで甘くは無いと思うけど)。

この作品で注目すべきはなんといっても二人の奇妙な距離感。犬猿の仲とはいかないまでも、お世辞にも仲良しといは言えない二人の関係。作品終盤になってようやく二人が仲良くなれない原因らしきものが明かされるのですが、その原因っていうのがまた絶妙な感じで面白かった。あー、あるある、こういうこと。ってそんな感じ(笑)。別にどっちが悪いってわけでもないんだけど、こうなってしまうともうどうしようも無いというか。これはかなり居心地悪いだろうなって思うよ。

あと、この作品の舞台となるアベちゃんの家がとってもいい感じ。郊外に立つ古めの平屋なんだけど、茶の間に鎮座する丸いちゃぶ台とか少し立て付けの悪い掃き出し窓とか庭に置かれている物干し台とか、ノスタルジックな感じで心地よいんですよねぇ。瓦屋根の上を猫が歩いていくシーンとか非常にツボでした。別に何ってわけじゃないんだけどね(笑)。

ちなみに個人的に印象に残ってるのは冒頭のスズと彼氏の食事シーンかな。スズの無言の主張に気がつかない彼氏もかなりイタいんだけど、そのゆるい主張の仕方が可笑しいというかなんというか。

主演が榎本加奈子と藤田陽子ってことでもっと榎本加奈子のキツさが目に付くかと思ってたんですけど、藤田陽子の天然ちゃんっぽい演技が彼女のアク強さをいい感じで中和させてたように思います。ちなみにタイトルは二人の関係を表しているのかな?とも思ったのですが、よくよく考えて見ると犬猫の仲ってどんななんでしょうね(笑)。
*****作品データ*****
犬猫(2004年/日本)
監督:井口奈己
出演:榎本加奈子、藤田陽子、忍成修吾、小池栄子、西島秀俊、小松留美
  →この作品をAMAZONで確認

ここちらはオリジナル8mm版『犬猫』。ちょっと見比べてみたいような気がします。

おまけ。上のレビューではえらそうに「2001年のPFFアワードで〜」とか何とか書いておりますが、実はこのレビューを書いた時点では「PFFアワード」って何?って感じでした(笑)。とはいえ記事にしちゃったわけですから「知りません」ではすまないだろうってことで、お得意の広く浅くの根性でサラサラサラと要点をまとめてみましたよ(あくまで自分用ですが)。ご興味のある方はどうぞ。
【PPF:ぴあフィルムフェスティバル】
コンセプトは「映画の新しい才能の発見と育成」。インディペンデント映画の面白さを広く伝えるため1977年に東京でスタート。発足当初は映画祭だったが、現在では映画コンペティションを中心に劇場公開用作品の作成やDVD販売、海外映画祭への作品出店、人材育成等様々な活動を行っている。
これまでの主なPFFアワード入選監督は森田芳光、黒沢清、塚本晋也、矢口史靖、荻上直子、犬童一心などなど。
ちなみにPFFアワード2007の作品募集は12月1日まで。映画監督を目指している方は下記公式サイトから!
公式サイト:http://www.pia.co.jp/pff/index.html
posted by クマ at 15:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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