本日の作品は『父親たちの星条旗』。ご存知クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部作の第一作目です。劇場に足を運ぶのはかなり久しぶりだったのですが、予想以上に人が入ってなくて少し驚きました。なんとなく理由はわかるような気がしますけど(笑)。全体的な感想としてはちょっと期待しすぎたかなって感じ。史実としては非常に興味深いんだけど、映画としてはどうなんだろう…。面白いとか面白くないとか、そんな次元の作品じゃないねっていうのが正直なところでしょうか。もうこれはエンターテイメントとはいえないんじゃないか、そんな感じですね。
個人的には12/9から公開される2作目の『硫黄島からの手紙』の方に重きを置いていたのでこちらの作品は『硫黄島〜』を見るためのウォーミングアップ的な意味合いが強かったんですが、それでも見ておいて損は無かったなって思います。
ちなみにこの作品見てまず思ったのは他の作品とは決定的に監督の視点が違っているってところ。戦争映画って善と悪がはっきりと色分けされがちですが、そういったものが一切感じられなった点は私の中では非常に評価高いです。
第二次世界大戦、特に日本が関わっている戦いを題材にした作品を鑑賞するときってどうしても複雑な心境に陥ってしまいがちだと思うんですよ。戦争に加害者も被害者もないだろって頭ではわかっているんですが、やっぱり極端に残忍な描かれ方をすれば気分が悪いし、かといってヒーローのように祭り上げられるのもどうかと思うし。国と国とが争うわけだからどちらの視点で描かれるかによっては不愉快な気分になる人々が出てくるのは仕方ないし、最近では結局どんな描かれ方をしても納得できないんだろうなと自分の中では結論付けてますが、この作品では不思議と不満も憤りも感じなかったんですよね。こういう戦争映画っていうのもあるんだなぁってしみじみ考えさせられました。
歴史的事実といった観点では、アメリカ軍が5日で静圧できると思っていた戦いが実際には36日という長期にわたって繰り広げられたという事実にも驚きましたが、それよりなによりあの一枚の写真が発表されるまでは国内は敗戦ムードが濃かったというその1点に非常に驚かされました。イメージ戦略の有効さをまざまざと見せ付けられたって感じです。
とまぁ内容的にはそこそこ満足できたのですが、人物描写が少しお粗末だった点は残念だったかなぁと。主となる3人は勿論のこと、戦場で死んでいった他の兵士達の描き方が結構あっさりとした感じだったのはちょっと物足りなかったですね。とはいえ、時間的にはこれが精一杯なのかなとも思いますけれども。ちょっと心残りです。
*****作品データ*****
父親たちの星条旗 - FLAGS OF OUR FATHERS(2006年/アメリカ)
監督:クリント・イーストウッド
製作:スティーヴン・スピルバーグ、クリント・イーストウッド、ロバート・ロレンツ
原作:ジェームズ・ブラッドリー『父親たちの星条旗』
出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、ジェイミー・ベル、バリー・ペッパー
ポール・ウォーカー、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ジョン・スラッテリー
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/



