2012/08/23

一卵性双生児という名の闇 『戦慄の絆』

戦慄の絆」 ★★★☆☆
DEAD RINGERS (1988年/カナダ)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェレミー・アイアンズ、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド
ハイジ・フォン・パレスケ

地位も名声も手に入れた一卵性双生児の産婦人科医の兄弟が、一人の女性の出現により均衡を崩し破滅していく様子を描いたサイコ・スリラー。数十年ぶりの再鑑賞。恐ろしくエグくてグロい印象が強かったので少々敬遠してましたが、実際にはそれほどエグくもグロくもなく、余裕で直視できるレベルでした(単なる思い違いなのか、歳とって耐性がついたからなのかは不明)。確かに瓜二つの双子、真紅の手術着、グロテスクな手術道具などが醸し出す雰囲気はあまり気分良いものではないですけどね。

全てを分け合うという暗黙の了解に従い、女性をもシェアする兄弟。しかし弟が恋をし、独占欲に駆られ独立心が目覚めてたことを発端に兄弟のバランスが崩れる。一見、社交的な兄に内向的な弟が依存していたように見えるが、実のところは共依存状態。一度崩れたバランスはなかなか戻らず、一方が持ち直せば片方が傾き、とお互いに共鳴しあいながら堕ちていく姿は実に退廃的で官能的。双子、こと一卵性双生児には、こういった運命共同体的な第三者には理解できない“何”かが存在していても不思議ではないよなぁと改めて感じた次第(実際のところはどうなんだろう)。

クローネンバーグといえばグロテスクな描写で有名ですが、この作品にはそういう描写はほとんど見られません(唯一ヴァレリーの夢がグロいといえばグロいかな)。その代わり印象的だったのが色使い。全てを飲み込むような真紅や、深く沈んでいくような濃紺といったように、彼らの精神状態とリンクするような形で効果的に色が使われているところがとても印象的でした。

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posted by クマ at 13:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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