2007/02/13

東京タワー

青山の一等地にセレクトショップを経営する41歳の詩史と3年前から不倫関係を続ける21歳の透。純粋な透は詩史に教わったモノたちに囲まれ彼女からの電話を待ち続ける。一方透の親友耕二は偶然であった専業主婦の喜美子と不倫の関係になるのだが…。

本日の作品は『東京タワー』。いいなぁ、好きだなぁ、こういう崖っぷちギリギリな感じのストーリー。未来が全く望めない絶望的な設定とでも言いましょうか。美し過ぎる結末こそ多少不満は残りますが、それでもこの現実感の乏しさといい息の詰まるような閉塞感といいなかなかいい味出してたんではないでしょうか。もともと主演が黒木瞳と岡田准一ってことでもっとミーハーで浮ついた感じのラブストーリーを想像してたってこともあるんでしょうが、いい意味で裏切られたって感じですね。薄幸感漂うラブストーリー。結構お勧めです。

みどころは岡田准一と寺島しのぶの二人の演技。特に寺島しのぶについては徐々に自制が効かなくなっていく普通の主婦を怪演してます。ここのところ話題になっている『愛の流刑地』にしろ『赤目四十八瀧心中未遂』にしろ、こういう役をやらせたら右に出る人はいないってくらい。作品の中で彼女が取る行動は普通ではちょっとありえない域に達してしまっていますが、一線を越えるまでの主婦ならではの葛藤や覚悟を決めた瞬間って言うのかな?そのあたりの見せ方にかなり引き込まれましたね。

岡田准一に関して言えば、繊細で透明感溢れる演技が印象的だったかな。もっとジャニーズ色を前面に押し出してくるかと思っていたにも関わらず(松本潤はいつものジャニキャラでしたけどw)、黒木瞳との白昼夢のような関係に負けないくらい現実感に乏しいキャラを好演していたように思います。詩史に教えてもらった数々の美しいものに囲まれて電話を待ち続けるところとかあまりにも現実感なくてそのまま消えてしまいそう。なんか向こう側が透けて見えそうなくらいの存在感しかなかったですね。

あと個人的に印象に残ったのは黒木瞳演じる詩史の夫役岸谷五朗が岡田准一演じる透をプールに呼び出すシーン。年を追う毎にヤクザっぽい雰囲気が濃くなっていく岸谷五郎の恫喝もなかなか迫力あってよかったんですが、最後に吐いた捨てゼリフが凄く良かったですね。「(恋に)落ちればいいってもんじゃないんだよ」ってヤツ。うーん、深いなぁ。

ただし、冒頭にもチラと書いたとおりあまりにも結末が美しくまとまりすぎているので、個人的な評価としては★4つといったところ。ただし、この辺はハッピーエンドが好きかバッドエンドが好きかという個人的な好みにもよりますので、興味のある方は是非ご自分でお確かめ下さいませ。ま、このラストのほうが女性ウケはよさそうですけどね。
*****作品データ*****
東京タワー - (2004年/日本)
監督:源孝志
原作:江國香織 『東京タワー
出演:黒木瞳、岡田准一、松本潤、寺島しのぶ、宮迫博之、平山あや、加藤ローサ、半田健人、余貴美子、岸谷五朗
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posted by クマ at 18:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★☆



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