2007/02/17

『愛についてのキンゼイ・レポート』

タマバチ研究の第一人者であった動物学の助教授キンゼイは教え子のクララと恋に落ち結婚するが、なぜか夫婦生活がどうにも上手く行かず専門家のアドバイスを仰ぐことに。その後無事危機を乗り切ったキンゼイはこのことがきっかけで学生相手に“結婚講座”を開講することになるのだが…。

本日の作品は『愛についてのキンゼイ・レポート』。1948年にセックスについての統計をまとめた「キンゼイ・レポート」を出版して全米にセンセーションを巻き起こしたインディアナ大学の助教授キンゼイ博士の生涯を描いた作品。セックスについてかなり赤裸々な(というかエゲツナイ)描き方がなされていますので、そういった内容が苦手な方はご遠慮頂いたほうがよろしいかと。ちなみに私の場合はというと終始「フーン」って感じでしたね。あ、でもさすがに10秒男のシーンにはイラッと来たけど。ラストがちょっと尻切れ気味ではありましたがそれ以外は伝記作品としてはまぁまぁって感じでした。

性が持つ底知れぬ可能性とひた隠しにされた真実を貪欲に探求し続けるキンゼイ氏。そんな彼の姿は題材が持つセンセーショナルさとは対照的にまさに地味で真面目な生物学者といったところ。しかもその研究熱心さが仇となってしまうところが哀しいというか。結局のところ保守的な人々の思惑からかマスコミにセンセーショナルに取り上げられ人々の好奇の眼差しに晒されるようになり、結果として資金援助も途絶え、最終的には永遠のテーマともいえる壁にぶち当たってしまうわけだけど、とはいえ長年人々が口を閉ざし封印し続けてきた事実を解放したという点ではやはり賞賛に値するでしょうね。映画では順風満帆に見えたインタビューも当時はかなり反感や抵抗を受けただろうし。

それでもやはり全編通して感じることは「あまりにも節操なさすぎ」ってところ。研究熱心なのもよいけれど、私生活までも研究材料にしてしまっているあたりに違和感を感じるというか軽い拒絶感を覚えましたね。本人達が合意の上であれば何してもかまわないとはいうものの、だからといってなんでもやっていいというのとは違うと思うし。この辺は個々の道徳観にもよるんでしょうけどね。

個人的に印象に残っているのはキンゼイ博士の妻クララ役を演じたローラ・リニーの存在感。控えめなんだけど奔放でそれでいてバランス感覚が良いという彼女のキャラクタは凄く魅力的でしたね。特に先入観をもたない彼女がキンゼイ博士の告白を受けてショックに打ちひしがれるシーンでの「あなたが平気でも私は傷つく」というセリフがとても印象的だったなぁ。

最後に個人的に気になったことを一つ。どうしても彼が研究していたものは「行為そのもの」であって「愛」とはちょっと違うなって思うのですが、これって私だけかしら?作品としても「愛の研究」を前面に打ち出してますが、それもちょっとって感じがするんですよね(ラストはさすがに「愛」を感じさせてくれるものではありましたが)。そういう意味では邦題はちょっとズレてるかもとおもうのですが、ご覧になられた方いかがでしょう?
*****作品データ*****
愛についてのキンゼイ・レポート - KINSEY(2004年/アメリカ・ドイツ)
監督:ビル・コンドン
出演:リーアム・ニーソン、ローラ・リニー、クリス・オドネル、ピーター・サースガード、ティモシー・ハットン
   ジョン・リスゴー、ティム・カリー
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posted by クマ at 15:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★☆☆



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