2013/04/08

人はコーンからできている 『キング・コーン』

キング・コーン」 ★★★★★
KING CORN (2007年/アメリカ)
監督:アーロン・ウールフ
出演:イアン・チーニー、カート・エリス
公式サイト:http://www.espace-sarou.co.jp/kingcorn/top.html

二人の青年が、アイオワ州に1エーカーの畑を借りて実際にトウモロコシを育て、そのトウモロコシがどのように消費されるのかを追ったドキュメンタリー作品。1粒のコーンがどのように世界を支配しているのかが、ユーモラス、かつショッキングに描かれてます。「人はコーンからできている」なんて言われても「まさか〜」と半信半疑だったのですが、作品を観終わる頃には私も間違いなく半分くらいはコーンでできてるだろうな、と思い直しました(苦笑)。テーマは非常に重いのですが、作風はとてもライト。面白おかしく見れて勉強になりますので、今はやりの「食育」にご興味のある方もそうでない方も、ぜひご覧になってみてくださいませ。

この作品でまず印象的だったのは、どこまでも続くトウモロコシ畑の画。想像を超えたその広さに思わず唖然(その後牛の飼育場の映像も出てくるのですが、こちらも凄い。どこまでも続く牛・牛・牛…)。

そもそも、なんでアメリカがそんなにトウモロコシばっかり生産しているかというと、政府から補助金が貰えるから。単に育てて売っただけでは赤字になるらしいんだけど、政府の補助金のおかけで、生産すればするほど収益が出るというミラクルな構造になっているらしい。彼らも単純計算では赤字だったけど、この補助金を得ることでやはり黒字に。どうにも納得いかないようなビミョーな表情なのが面白かったですけどね。

そんな不自然な構造は、当たり前のごとく過剰生産という問題を生み出し(作っただけお金貰えるんだから当たり前)、余りに余ったトウモロコシは安価な家畜飼料として牛・豚・鶏に与えられたり、「コーンシロップ」という名前の物質に姿を変え、人間に与えられたりするわけですよ。よって人間も家畜も仲良くトウモロコシまみれw。ついでに言うと、この「コーンシロップ」なるものが非常に曲者で、それを含んだ炭酸飲料や食品を大量消費(といっても現在ではほとんどの食品に含まれているから防ぎようがないんだけど)することで、多くの糖尿病患者を生み出すという皮肉な結果を生んでいるそうな。作品中、彼らが実際にコーンシロップを作り出し(科学実験風でおもしろい!)、出来上がったシロップを試飲するのですが、甘みが極度に強く、とても口にできるような代物ではなかったようです(それがほとんどの炭酸飲料に使われてるってところも結構怖い)。

現在、コーン作りは非常に効率化されていて、1エーカー分の作付はわずか18分足らず。雑草駆除も専用の除草剤まかせ(ちなみに彼らが蒔いた種は特定の除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え済みの種。こちらの種にも利権が渦巻いているんだけどそちらは是非本編ご覧になってご確認ください)。育つのもあっという間なら、収穫もバカでかいトラクターであっという間に終了。農業ってもっと繊細で気を使うものではないかと思うのですが、農業初心者の二人でさえ何の問題もなく作付〜収穫までできてしまうところはある意味凄いかと。ノウハウもテクニックもなにも必要ないので、二人が立ち寄ったカフェのウェイトレスの言った「時間を持て余す」というセリフに思わず納得してしまいました。

最後に、この作品で語られているトウモロコシですが、日本人になじみの強い、あの甘くておいしいトウモロコシとは別物だそうです(ちなみに日本で食されているのはスウィートコーンという生食用の品種とのこと)。彼らが育てたトウモロコシはほとんど家畜の飼料や加工用で、そのままではまずくて食べることはできないそうですよ。

ブログランキング参加中デス。映画選びの参考になりましたらClickお願いします♪→
posted by クマ at 13:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★★



前後の記事へリンク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/354495928