2007/03/10

『潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ』

海辺のアパートの一室で孤独に暮らす元船乗りのウォルター。いつものように目的もなく気ままに一日を過ごしていたところ、海辺のベンチに一人佇むフランクを見かけ声をかけるのだが…。

本日の作品は『潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ』。ちょっと不思議なこのタイトルに惹かれて録画していたこの作品。たまにはこんな作品もいいかな?ってことで鑑賞してみましたよ。ヘミングウェイをこよなく愛するウォルターとベーコンサンドばかり食べているフランク。ひょんなことから知り合いになった二人の老人がお互いの存在によって孤独だった生活を一変させ友情を育んでいくといった内容。主人公であるおじいちゃん二人のキャラクターがとてもユーモラスに描かれていると同時に年老いていく寂しさや物悲しさ孤独といったものがとても真摯に描かれている作品でした。可笑しくてちょっぴり切ない、とても素敵な作品でしたよ。

そもそも人間てものは歳を重ねるたびに自分なりのこだわりというか簡単には譲れない部分が出てくるものだけど、この作品にでてくる二人のおじいちゃんもまさにそんな“譲れないものだらけ”って感じ。よくいるじゃないですか。ホントは寂しいのに頑として認めようとしないで強がってばかりいる頑固爺さんって(笑)。しかも登場する二人の爺さんは外見も性格も正反対。ウォルターは言動も粗野で体も大柄、着ているものも結構だらしないのに対し、フランクはというと物静かで身奇麗で言葉遣いも丁寧。でもこの二人が抱える問題の根っこの部分は実は同じなんですよね。そこがこの作品のミソ。

最初はぎこちなかった二人も二人で行動する機会が増えていく毎に表情が明るくなっていきます。子供みたいな二人の姿を見ていると、見ているこちらまでなんだかウキウキしちゃいますよね。そうそう、初めて友達が出来た時ってこんな感じだったわ、といった感じ。中でも一番印象に残ってるのは自転車のシーン。観光地や遊園地などでたまに見かける二人乗り自転車がでてくるのですが、おじいちゃん二人がその自転車に仲良く乗っているシーンがとても楽しげでかわいらしいです。

終盤に待ち構える予想を裏切る突然の出来事にはさすがに驚かされましたが、それでもその後のフランクの姿を観ていると二人の友情は永遠に続いてるなって感じがしてなんだか穏やかな気持ちになれます。若い人が活躍する作品も生気に満ちていて大変魅力的ですが、たまにはこんな少し枯れたような作品を見るのもなかなかいいものだと改めて感じました。結構お勧めです。
*****作品データ*****
潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ - WRESTLING ERNEST HEMINGWAY(1993年/アメリカ)
監督:ランダ・ヘインズ
出演:ロバート・デュヴァル、リチャード・ハリス、シャーリー・マクレーン、サンドラ・ブロック
  →この作品をAMAZONで確認

posted by クマ at 16:45 | Comment(0) | TrackBack(1) | ★★★★☆



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潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ
Excerpt: 元船乗りでガサツで女好きなフランクと、元理容師で物静かで理知的なウォルター。ある夏の日に出会った二人の老人の交流を描いた隠れた名作です。 孤独だった二人が、他愛もない会話を切っ掛けに、カフェ通い・..
Weblog: シネフィルも萌えヲタも
Tracked: 2011-05-29 02:08
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