2014/02/14

『プライベート・プラクティス シーズン4/PRIVATE PRACTICE(2010〜2011年/アメリカ)』★★★★☆


出演:ケイト・ウォルシュ、ティム・デイリー、オードラ・マクドナルド
   ポール・アデルスタイン、クリス・ローウェル、テイ・ディグス
   エイミー・ブレネマン、ケイディー・ストリックランド
WOWOW公式サイト:http://www.wowow.co.jp/drama/private/

LAの共同クリニックで働くアラフォー世代の男女の姿を描いた「プライベート・プラクティス」の第4シーズン。もともと大ヒットドラマ「グレイズ・アナトミー」のスピンオフ作品としてスタートしたんですが、私自身が登場人物たちと同年代ということもあってか、最近では「グレイズ〜」よりもこちらの作品の方が本命になりつつあります。お世辞抜きにして非常に面白いので、是非多くの方に観て頂きたいですね。特にアラフォー女子にはおすすめ。ちなみに思い入れが強い分、かなり偏りのある、かつこってり目な感想となってますので、時間がない方は読み飛ばして下さい。

例によってこの先はネタバレ全開です。ネタバレ勘弁!という方は本編ご覧になってからどうぞ。過去シーズンの感想はこちらから↓

 プライベート・プラクティス シーズン1 ★★☆☆☆
 プライベート・プラクティス シーズン2 ★★★★☆
 プライベート・プラクティス シーズン3 ★★★★★

※この先ネタバレ ご注意ください※

ヴァイオレットが女性患者に襲われ腹を切り裂かれた第2シーズン最終話。そして事故によりデルが帰らぬ人となった昨シーズン最終話。今シーズンこそは残酷な出来事が起こらないことを祈っていたのですが、残念ながらそうもいかないようで。良くも悪くもエピソードてんこ盛りのシーズンとなりました。

特筆すべき点は2点。まずはシャーロットの暴行事件とその顛末。同じ女性としてこの手のエピソードっていうのは見ていて非常に不快だし辛いことこの上ないのですが、それ以上に非常に多くのことを考え感じさせられたという点で、とても珍しいエピソードだったと思います。まず、事件発生からトラウマ克服までが、根気強くかつ丁寧に描かれている点が素晴らしい。被害者がシャーロットだったっていうのがポイントで、どんなときにも論理的で冷静沈着な彼女のキャラクターが、この事件をきっかけに崩壊寸前まで追い込まれていきます。彼女の性格上、何事も無かったかのように振る舞い、なんとか独りで切り抜けようともがくのですが、結局は上手くいかず、最終的には不本意ながらも周囲の手を借りながらら「許す」という行為によりトラウマから解放されます。この手の事件って事件発生→立ち直れず降板、もしくはトラウマだけ事あるごとに取り上げられる、といった場合が多いだけに、こうして克服していく過程にプラスして、その後の人生までをも見せてくれるっていうのは非常に珍しいし、とてもよい試みだと個人的には思いました。

もう一つはヴァイオレット絡みのエピソード。第2シーズンから引っ張ってる例の傷害事件、今シーズンでは延長戦に突入です。事件自体の傷は癒えつつあるものの、その後この事件はヴァイオレットの自伝出版という形で昇華され、さらにはクリニックの存続危機という新たな問題を引き起こします。シェルダンの恋路を邪魔し、同僚のプライバシーを侵害し、加害者の更生を妨げ、夫ピートとの不和を引き起こしてまで出版に踏み切る自分本位なヴァイオレットにはいらだちを覚えずにはいられませんでした。自伝内容から治療の妥当性と正当性・合法性が疑われ、結果医師免許停止。その後、調査はヴァイオレットからクリニック本体へ飛び火し、共同治療が仇となり(守秘義務違反ということらしい)、クリニックは業務停止を余儀なくされます。最終話を見る限り、なんとかクリニック消滅は免れそうな気配ではありますが、それでもあまりにも余波が大きすぎるというかなんというか。そして次シーズンはクリニックの再建がメインになりそうな予感。

それ以外にも、アディソンと母との確執と別離だとか、デルの娘ヘザーの養子問題だとか、結構ヘビーなエピソードが多かったと思います。ただし、そんな辛く悲しい現実をはねのけようとするかのごとく、人間同士の絆を深めようとするエピソードも多く、シーズン通しての印象としてはそれほど悪いものではありませんでした。個人的にはシャーロットとクーパーの挙式ドタキャン事件が印象的。色々あった分だけ、この二人には幸せになってほしいですね。

ちなみに、今シーズンからは精神科医のシェルダンと脳神経外科医のアメリアが正式にレギュラー入り。特にアメリアについては、裏表のなさそうなドライな性格と辛辣な物言いとで存在感を見せつけています。アディソンはもちろん、シャーロットの相談役としてもいい働きをしていました。ただし、終盤にかけ、次シーズン間違いなく問題になるであろうと思われることが伏線として張られているところは非常に気にかかりますが。

また、全員が新境地に向かいスタートを切るという最終話には希望を感じましたが、その一方、ヴァイオレット不在の自宅で倒れるピートの様態が気になります。

そして最後に、毎度のことではありますが、来シーズンこそはアディソンには幸せになってほしいなぁと心底思います。

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さて本編からは少し話はそれますが、この作品の魅力について個人的に思うことを少し書き留めておきます。興味のない方は読み飛ばしてくださいませ。

多くのドラマが20〜30歳台という設定なのに対し、この作品は40歳前後という珍しい年齢設定。この40歳前後っていうのが、この作品の最大のウリであり魅力ではないかと。というのも、青春モノは設定年齢が若すぎるし、純愛ものも飽きた。かといって犯罪捜査も興味ないし、リーガルものも重すぎる。とまぁ早い話がだんだん歳を重ねるにつれ、ハマれる(感情移入できそうな)ドラマが見当たらなくなってくるわけです。そんななか、仕事もありお金もあり、ある程度人生の場数をこなしてきた40台男女を等身大で描いたこの作品はかなり貴重な存在。若い人たちとは少し違う部分で悩んで怒って悔んで泣いて、不器用に生きているところに共感せずにはいられないのです。ハイ。

恋愛のその先にある結婚や出産、大人としての責務をや厳しい決断。その一つ一つはあまりにも些末で地味で個人的な内容なことが多いので、ドラマとして描くにはあまり適さないのかもしれませんが、現実を生きている人間としてはそういう些末な問題に日々振り回されているわけで、そういった些末な出来事や微妙な気持ちのゆらぎのような部分を丁寧に扱っているこのドラマを見ることで、カタルシスを感じるのではないかと思うのです。

大人といえば、このドラマを見てつくづく感じるのは、大人って何?っていう素朴な疑問。若いころは歳を重ねれば勝手に大人になっていくと漠然と思ってたけど、実際は30台になっても40台になっても未熟な部分は未熟だし、本人からするといつまでも発展途上なわけで、そんな発展途上な人たちの弱さや未熟さもすべてありのまま描いているところもこの作品の魅力なんだと思うのです。いつまでも大人になりきれなくてスミマセンねw。でも、そんな未熟な部分も力強く肯定してくれる、そんなアラフォーにとっては大切なドラマだと思いますので、是非沢山の方に見て頂きたいと思います。
posted by クマ at 22:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ドラマ



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