
出演:夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵
公式サイト:http://www.kibounokuni.jp/
まず、原発事故が収束していない現時点でこういう映画が出てくることに驚いた。未だ解決の目処も立たないような状況の中、どのように描きそしてどのように締めくくるのか、その点に非常に興味をそそられて、鑑賞。ここ数年注目している園子温監督作品ということもあってかなり期待していたんだけれども、さほど突っ込んだ演出もなく、先の大震災で取り上げられたいくつかのエピソードをトレースして繋げたような内容になんだか肩透かしを食らった気分。じゃぁ、どういう内容を求めていたのかと聞かれても、正直言ってよく解らないのだけれども。
扱うテーマがテーマなだけに直視しがたい部分もあるだろうとそれなりに覚悟を決めて望んでみたのだけれど、さほど過激な表現も映像もなく(むしろデフォルメされすぎて思わず苦笑してしまうような演出はあったけど)物語は淡々と進んでいく。「希望の国」というタイトルとは裏腹に、あまりにも希望とは程遠い内容で、鑑賞後、独りうなだれてしまった。
印象的なのは、事故後、庭を横切る形で引かれた20kmの境界線。たった一本の線。その境界線を超えなければ安全なのかと言われたら、そうじゃないことはよく解っているけど、じゃあこの国のいったいどこまで行ったら安全っていえるんだろうか、と、ラストのシーンを見ながら考えさせられました。
「希望の国」予告編
同じく園子温監督作品の「愛のむきだし」は、その年(2010年に初鑑賞)に鑑賞した映画の中でダントツの作品でした。映画観てんのになぜか全力疾走してる感じ(わかる人にはわかるはず)で、しかも約4時間という恐ろしく長い作品のくせして、一瞬も目をそらすことができないという、「なんだこの映画?!」ってな作品です(これだと全然わかんないですよねw)。興味のある方は是非。あらすじ&感想はこちらから→「愛のむき出し/毎日が映画日和」