2005/06/09

圧倒的なパワーを感じるなカルト的一作 『太陽を盗んだ男』

本日の映画:太陽を盗んだ男 
中学校で理科の授業を教える城戸誠。ある日彼は東海村原子力発電施設からプロトニウムを盗み出し、自宅で原子力爆弾の製造を行う。そして完成した原爆を武器に警察に対して理不尽な要求を突きつけ始めるというストーリー。主演は沢田研二、菅原文太、池上季実子。

一部でカルト的人気を誇るこの作品。期待度としてはかなり高かったのですが、そんな期待を裏切ることなく予想以上に見ごたえのある絶品のカルト映画で大満足。1979年の作品ですので映像や演出はチト古臭い感もありますが、この時代にこんなに勢いのある強烈な作品が作られていたという事実に正直驚きました。しかも日本で。いや、マジでスゴイ!

みどころはなんといっても主人公が狭ーい自宅を改造して一人黙々と原爆を作り続けるシーン。前半のほとんどがこのシーンに割かれているのですが、その映像に一人悶絶状態でした。ハイ。城戸誠役を演じる若かりし日のジュリーの姿もさることながら、彼が原爆に注ぐ愛情みたいなものに思わずゾクゾクしてしまいます。孤独に迷走し続ける、ナイーブかつアグレッシブな主人公とこの世で最悪の発明品とされる原爆という取り合わせ。恍惚とした表情で完成した金属プロトニウムを見つめるジュリー。ダサいんだけど、カッコイイ!!

さらにこの映画の凄いところは、主人公が何か確固たる目的をもっていて、その目的達成のために原爆を作ったのではないというところ。ただの思いつき?科学マニア?いずれにしても警察に「要求はなにか?」と問われて初めて、自分が何を思い何を希望しているのかが分からないという状況を認識します。そんな主人公の曖昧な姿はある意味今の若者にも当てはまるのではないかと。さらに、この目的意識の希薄さがストーリーに新たな展開を巻き起こす原動力となるわけですが、彼が認識したある種の畏怖、孤独そして不安な気持ちはやはり彼独特の方法で昇華していきます。これぞクレイジー。

もう一つのみどころは主人公城戸に指名され捜査に加わることとなった山下警部役の菅原文太。何発も銃弾を食らうわヘリコプターから飛び降りるわ、瀕死の重症をおいつつもなかなか死なない不死身の男。しかも作品終盤ビルの屋上で繰り広げられる死闘はかなり強烈。でもって最後の不気味な表情のアップに続く行動と衝撃の展開。まさに「ひえぇぇぇぇーーーッ!!」てな感じです。

この作品、珍しく『日本人も結構やるじゃない』と改めて思わせてくれる作品です。でも、今どきの子が観たらなんで携帯電話使わないのか不思議に思うかも知れませんね(笑)
*****作品データ*****
太陽を盗んだ男 (1979年/日本)
監督:長谷川和彦
製作:山本又一朗
出演:沢田研二、菅原文太、池上季実子
posted by クマ at 15:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★★



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