2005/07/29

誰のため?何のため? 『華氏 911』

本日の映画:華氏 911 
ボウリング・フォー・コロンバインで有名になったアポ無し突撃インタビューでおなじみのマイケル・ムーア監督によるドキュメンタリー作品。政治的圧力から配給元を断られたり、カンヌ映画祭でのパルムドール受賞、主演のブッシュ大統領をはじめとする多くの出演者がラジー賞を受賞(個人的にはこれがとどめでしたね)するなど、日本でも公開前から話題になった作品です。

作品は大まかに分けてブッシュ大統領批判を痛烈に行う前半部分とイラク戦争(というよりも戦争そのもの)を批判する後半部分から構成されているように感じました。前半はムーアお得意のブラックジョーク満載。テンポの良い映像のつなぎ方やところどころに挿入される辛辣なコメントもいい味出しています。ただし、あまりにも都合よく編集してあるがためにドキュメンタリー作品として一番肝心なことの信憑性ってところはどうかと思われることも多々ありましたね。この辺が一部の酷評につながったのかなぁと感じました。まぁ、ブッシュ大統領の怪しげな部分についてこれほどあげっぴろげに描かれている作品は他にはないわけで(特に親米色の強い日本のマスコミはいくら彼が真っ黒だったとしても黒とはいわず白若しくは灰色というでしょうし)一つの意見として観る分にはなかなか面白かったです。

逆に作品後半部分はジョークも少なく、ムーア自身の突撃取材や色々な人へのインタビューもあってスゴク重い感じです。中でも実際に戦場に赴いている兵士達へのインタビューは良い意味でも悪い意味でも印象的でしたね。良心の呵責にさいなまれている人もいえば、ゲーム感覚で戦闘に向かう人もいるわけで。

最後に作品終盤に自分たちの息子たちを戦地に送ろうとしない議員達へのインタビューシーンがあるのですが、この作品のなかで一番大事なんじゃないかなって思える部分でした。たしかに彼らはずるいし責められても当然だとは思うのですが、みすみす死なせるために自分の子供を差し出すバカな親はいないっていうのは真実ですよね。そのあたりを考えれば少しは平和になりそうなものだと思うのですが…。
*****作品データ*****
FAHRENHEIT 9/11(2004年/アメリカ)
監督・製作・脚本:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ
公式サイト:http://www.herald.co.jp/official/kashi911/index.shtml

ボウリング・フォー・コロンバインのレビューはこちらからどうぞ。
posted by クマ at 15:26 | Comment(2) | TrackBack(1) | ★★★☆☆



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この記事へのコメント
こんばんは。
華氏911は、作り手の思惑がありそうな感じはしますが、日本の報道では知り得ない内容ばかりだったので、衝撃的でした。

>中でも実際に戦場に赴いている兵士達へのインタビューは良い意味でも悪い意味でも印象的でしたね。良心の呵責にさいなまれている人もいえば、ゲーム感覚で戦闘に向かう人もいるわけで。

実際の兵士達の赤裸々な発言は、私も良い&悪い意味で強く印象に残っています。
Posted by ルゥ3 at 2005年07月29日 21:24
ルゥ3さん、こんにちは。
平和が当たり前の日本人にとっては結構衝撃的な内容でしたよね。
ただし、政治的駆け引きみたいなところはあまりにもスケールが大きすぎて実感湧かないところもありましたが。
同じマイケル・ムーア監督作品でもどちらかというと「ボウリング・フォー〜」のほうがより身近に感じるし考えさせられる作品だったかなぁと思います。
Posted by クマ at 2005年08月01日 16:28
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華氏911
Excerpt: 監督マイケル・ムーア内容パルムドールを受賞した、ドキュメンタリー映画。感想 ※以下ネタバレ含むドキュメンタリー映画を観たのは、この作品が初めてです。ブッシュ大統領を痛烈に批判した映画ということは、言う..
Weblog: は〜るよ恋、は〜やく恋♪
Tracked: 2005-07-29 21:26