2005/10/04

雰囲気はキライじゃないけど、その終わり方はいただけない 『CODE46』

本日の映画:CODE46 
近未来、社会は遺伝子研究が進み徹底した管理の下安全に暮らしていた。都市部以外は砂漠化が進み、都市の出入りにもパペルと呼ばれる滞在許可証が必須となり、パペル申請の許可が降りない場合は旅行さえままならない。そんななかパペルを発行するスフィンクス社で偽造事件が多発。調査を依頼されたウィリアムは社員の中から真犯人を見つけ出すが…。監督はマイケル・ウィンターボトム、出演はサマンサ・モートン、ティム・ロビンスほか。

上海という古さと新しさが入り混じったような異国情緒溢れる街を舞台に繰り広げられる哀しい恋愛劇。サマンサ・モートン演じるマリアもティム・ロビンス演じるウィリアムもどちらものどこか孤独で寂しげ。そんな浮世離れした雰囲気が妙に心地よい作品でした。ただ惜しむらくは少々設定が難解だったこと。作品の重要な鍵を握るCODE46の持つ意味しかり、二人の遺伝子的問題しかり。そして更に残念だったのが想像以上にあっけない結末だったってこと。

映像はスタイリッシュだし、作品全体を包み込むような寂しげな雰囲気も悪くない。説明的なセリフを極力押さえ、そのほとんどを間と表情で表現する手法もなかなか趣があってとても良いのですが、観終わった後『何かが足りない』と思わざるを得ない、そんな作品でした。マリアの夢のエピソードや、彼女の部屋での二人、行方不明になった彼女を追うウィリアム、そしてCODE46。二人が手を取って街を出るシーンにいたっては『これはもしや大当たり…?』と思わせるそんな展開だったのに!ほんと、もったいないなぁ。

ということで、みどころは飛行場でのシーンまで続く物憂げで哀しげな二人の絶妙な距離感。特にウィリアムが一旦自宅に戻るまでの展開は正直かなり引き込まれたし、映像的な観点からもとても魅力的だったと思う。ただし、あの一瞬だけ挿入されるきわどいカットはいただけないかなぁ。製作側にはそれ相応の意図があったとは思うのですが、あまりにも唐突だったのでかなりビックリさせられました。それさえなければほぼ完璧といえるかも。

そして問題のラストシーン、あまりにも彼女一人が一方的に重荷を背負いすぎているような気がしてどうも腑に落ちません。どうせ堕ちるなら二人で堕ちて欲しかったし、コウモリ研究科の彼の夢を後押しした時のように、彼女には自分の気持ちをあんなに簡単に諦めて欲しくなかった。そんな意味でもラストがもう少し違った展開であってくれたら私の人生の一本になったかもしれないなぁと思える、そんな作品でした。(個人的には序盤のかなり絶望的な雰囲気を踏襲した感じのラストがいいなぁ)
*****作品データ*****
CODE 46
CODE 46(2004年/イギリス)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:サマンサ・モートン、ティム・ロビンス
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posted by クマ at 16:13 | Comment(0) | TrackBack(3) | ★★★★☆



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